この本には 高橋竹山さんの壮絶な人生が描かれているが 歌手の北島三郎さんが歌っている「風雪流れ旅」は 作詞家、星野哲郎さんが この著書を読んでいたく、感銘して書いたとされる歌である。
竹山さんが生まれた当時の日本は ほとんどの人たちがそうだったのだと思うが 暮らし向きは豊かではなく 貧しかった。 その分「大切な何か」が確かにありこの本を読んでいて 改めて感じさせられることは大変に多い。 私も 三味線を手にしていた頃があったが 高橋竹山さんは「サイジリ」( 撥の尻 )でも 弦を弾き また、銅の木の部分を 叩いて音を出す。器用さは 才能でもあるが 三味線を知っている者にとっては まさに至高の極み。
竹山さんは晩年、大成されたが それも「運命」他なく、人の人生は 本当に 不思議としかいいようがない。 だからこの本は 面白い。
2010/06/24(追記)
本書中、いたく心を打たれた処がある。 それは、竹山さんが生活のために「三味線をやめた」と 青森の盲唖学校に入学する。 その後で「学校には入ったが三味線は離さなかった。 これのために 苦労してきたんだから、離す気になれなかった」と言っている下りである。
言葉がない。 重みのある言葉が 随所に出てくる。