津田先生のように高度なお菓子を提案される方が「おやつ」って?と思いましたが、内容は高度ありお気軽ありの実にバラエティに富んだものになっています。大きく焼く「分け合うおやつ」、「小さなおやつ」、ジャム類の「保存できるフルーツのおやつ」、「温かいおやつ」に、「冷たいおやつ」の5ジャンルに分けられ、全部で100レシピです。内容はロールケーキだったら「くるくるロールケーキ」から、ガレットはガレットの本など、すでに馴染みのある既刊で紹介されているお菓子類も随所に顔を出していますので、津田先生のお菓子テクの集大成と言える本だと思いました。手法は一緒ですが被るレシピはほとんどないと思います。
気になるレイアウトですが、写真のページに全ての手順が記載されているレシピも多い半面、やはりパイやタルト生地を使用するレシピは巻末の基本の生地の作り方を参照することになります。そしてやや残念なことにやはり少ない食材で簡単にできるレシピより、過程複雑技術高度高完成度しのレシピの方が圧倒的に多いですから、初心者向けとは言い難いと思いました。いわゆる分野別の専門書よりは多少手加減されているにしろ、ある程度お菓子のプロセスが頭に入っている方でないと、せっかく買ったのに作れるものが少ないということになりそうです。しかも「こんなものおうちで出てきたらびっくりするだろうな」と思えるような、ズバリお店で売れるレベルの「おやつ」です。
今まで津田先生のジャンル別のレシピ本に興味があるが難しそうだからと敬遠されていた経験者の方には、一冊で各ジャンルの手法が学べる絶好の書であることは確かですので、そういう方にはラッキーな一冊ではないでしょうか。以前の津田先生の既刊はほとんどレシピのみでしたが、今回はちょっとしたコツなどの短いコメントが添えられているところもポイントで、先生のお人柄がしのばれる暖かい雰囲気があります。そして最初の方のページで、必ずしも本の通りに作らなくては、と思わなくていいんですとおっしゃっている通り、いつも高いところにいた先生が少しこちらレベルに降りてきて下さったような本です。そして声を大にして言いたいことは、このレベルのレシピが100でこの値段は買いです。