M8.8の地震のエネルギーは広島原爆22,000個相当とか、日本のエネルギー消費量15ヶ月分に相当(2006年)など記述は具体的で判り易い。
小学教科書のせいで95%の人が引潮の後で津波到来と誤解している、地震の強弱より一分以上の長い地震が津波の恐れ、歴史が浅く過去の記録に乏しい北海道(多分、米大陸も)の津波経験は余り参考にならない、津波は海底から海面までの海水が一体となった動きで台風の波浪のように海面付近の海水の動きとは本質的に異なる、など門外漢にとっては有益な情報が多々記載されている。
南海大地震時の紀伊水道、大阪湾などの反射波を含む津波問題の指摘に対してどのような対策をすべきか悩ましい問題である。瀬戸内海養殖いかだの被災予想海域図など参考になる具体的情報が列挙されている。
南海地震を想定した紀伊水道から瀬戸内海の詳細なシミュレーションは参考になり、興味深いが、三陸や日本海のこの種の研究はどうなっているのであろう。
著者は京大なので、関東、三陸は東大、東北大が頑張らないといけないのだろうか?
この様な国土にエネルギー政策の中核に原発を据えて来た日本国民の能天気さも大いに反省すべきである。
海岸に原発が集中している日本では本書の南海地震時の津波解析のような研究が日本の主要海岸についてもなされているのであろうか、大いに気になる所である。
3.11のM9.0津波のカリフォルニア海岸への到達はニュースになったが、チリ海岸へは到達しなかったであろうか?
チリから三陸へは津波が度々襲来しているが、逆方向はどうなっているのか興味がある。
反省と将来の各種対策の参考として必読の書。