津波研究の先進国である我が国の専門家60人が,津波災害から生き延びるイロハを解りやすく伝える,好著です。津波防災に携わる人のみでなく,学生や一般の人向けに書かれています。
2004年インド洋大津波について,国内外の津波研究者が,津波がどのようにインド洋全体に伝わって,どのように建物や人の被害が発生したかについて研究・論文発表し,これらの成果が津波対策に取り込まれていますが,研究論文は一般の人の目に触れることが少ないため,この本に丁寧にまとめられています。
第1章の「津波の怖さを知ろう」では,我が国の過去の津波や津波の実験などから,津波は普段海岸で見られる波とは違って恐ろしいエネルギーを持ち,50cmの高さの津波でも人は耐えられないこと等が書かれています。
第2章の「津波の姿を知ろう」では,津波の発生メカニズム・挙動や,津波には個性があり一回ごとに違った動きをすること等が書かれています。
第3章の「津波から生き延びる知恵」では,過去の教訓から生まれた「津波てんでんこ」の悲しい教えや,警報が出ても逃げない人の分析などを行い,私たちが津波から生き延びるために何をすべきかが書かれています。
第4章の「津波災害への備えを学ぼう」では,行政の取り組みや,家庭内防災会議の勧めなど,津波発生前に私たちが行うべきことが書かれています。
津波防災に関するエッセンスが詰まっているので,お勧めの一冊だと思います。