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洞窟の偶像―澁澤龍彦コレクション 河出文庫
 
 

洞窟の偶像―澁澤龍彦コレクション 河出文庫 [文庫]

澁澤 龍彦
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

文化の深層を鋭く見抜き、古今東西の歴史と芸術を自由奔放に逍遙した渋沢盛期の珠玉の評論とエッセイ集。三島由紀夫や稲垣足穂、ネルヴァルやコクトー、ナボコフなどに捧げたエッセイや同時代の書評の数々、地獄絵をはじめビアズレーやシュルレアリスムについての美術評から、ニーチェやフーコー論に至るまで収録した、選りすぐりの傑作批評集。

登録情報

  • 文庫: 273ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (1998/10)
  • ISBN-10: 4309405533
  • ISBN-13: 978-4309405537
  • 発売日: 1998/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
「胡桃の中の世界」、「思考の紋章学」を読んだ後では、いささか精彩を欠く感のあるエッセイ。良く言えば老成か。西洋芸術と比較した日本芸術論、日欧の作家・作品評(交遊録)から成るが、巻末に著者の推薦作が纏められているのが特長。

地獄論は従前の蒸し返しで、出がらしの様。「とりかえばや物語」も再登場だが、性的倒錯が横溢する本作が余程のお気に入りらしい。実は私も好きなのだが。ただし、鎌倉時代の地獄絵に対する考察は見るべきものがある。三島に関しては、評論と言うより交遊録で、三島ファンには楽しめる。「埴谷雄高」論に関しては、著者に反して「死霊」は難しい、否、一人よがりの駄作だと思う。著者が師と仰ぐ「稲垣足穂」論は、評論を読むより実作を読めとの意図だが、それにしても不親切過ぎる。ビアズレー、マンディアルグ等の論評は、対象が現代的過ぎる事もあり、切れ味に欠ける。相変わらず「ポリフィルの狂恋夢」や両性具有が引用される等、批評方法に進歩が見られない。バロック風混沌と奇想を論じていた際の活気も感じられない。ユートピア文学と教養文学(ドイツ発祥)を対比させ、「ナチズム発生」論を展開するのは著者らしい。ここから冴えが戻る。ニーチェの明晰性とイタリア旅行との関係。魔術師の系譜を復活させたフロイト。こうした発想の新規性が著者の魅力だと思う。コクトー論、シュルレアリスム論では自らを語っているようである。「死体解剖よりは生体解剖を好む」と言う心意気や良し。ここからは個々の作品についての論評だが、短い紹介文の様。「O嬢の物語」については、もっと深い論考が欲しかった。巻末の著者の推薦作は、本文中で参照したものが多いものの参考になる。

枯れた味を感じるのは私だけであろうか。読んでいて昂揚感を覚えなかった。それとも、19世紀以降の作品に対して、夢と奇想を望むのは無理なのであろうか。
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