こういった本が出てくるのを長年待ち続けていた。
そして、ようやく出会えた。
飛行機に乗って拠点から拠点を渡り歩く海外旅行とは違って、7年半という超膨大な時間を費やして自転車に乗って世界一周という線を結びつける旅には恐れ入ったものだ。
1作目「行かずに死ねるか!」、2作目「いちばん危険なトイレといちばんの星空」と著者の本に出会って、いずれもすごく感動したものだが、3作目である本書は、その内容が一層充実していることはもちろんのこと、文章表現に磨きがかかっており味わい深いものとなっている。
食べたことを介してこういうことがあったというワンシーンを描写して文章が始まっているのは、旅の記憶を辿っているようでおもしろい。
旅をしていて、景色や異国の情緒に触れ合うものであるが、なんといっても食べることはかかせず、現地の人たちと同じものを同じようにして食べることで、共有し共感し、はじめて熱く肌で感じるものがあるというものだ。
このことは現地の人のこころを垣間見ることができ、食べたものの印象深さから、その時の情景をこころに刻み付けている。
どんな食べ物であろうとも現地と一体となり同化することから始まるのだ。
それがまさしく旅の原点であろう。