真正の宗教家グルジェフが自らの遍歴時代について語った本。
他の方も書いておられるが、まさに「味わい深く」、一度この本の魅力に気づけばきっと人生においてなんども読み返すことになる、そういう本である。
父親、師、そして友達あるいは著者が人生ですれ違った人々にささげられており、ここに込められた愛情が読んでいるうちにひたひたと押し寄せてくるような感覚を味わう。
印象的な言葉のかずかず。
「君は45年の間、絶え間なく刻苦勉励してきた。しかし、ほんの数ヶ月でも、一度として、知的欲求が心からの欲求にまで高まるような決断をしたことがないし、そのための<仕事>の方法を知ったこともない。もしそれが達成できていれば老境に入って今のような孤独をかこつこともなかったはずだ!」
一章にひとりを当てている。けれど時にはほかの人物、それから苦楽を共にした犬について語られることも。さまざまな出会いを本当に大切にできた人だ。