まず物語として普通に面白い。
サッカーを知らない人でも非常に読みやすい作りになっている。
サッカー選手の自叙伝かと思ったが、「泣いた日」はポイントとなるシーンを選び、そのシーンを本人と家族や関係者がどのように感じたかをそれぞれのストーリーとして描いているため、物語がより立体的に生き生きと浮かび上がる。
湊かなえ風と言ったら言い過ぎか。
阿部勇樹というとエリートコースで活躍してきた選手というイメージがあったが、「泣いた日」を読むと、意外なほどもじもじくよくよしているところが等身大に感じられ、親近感がわいてくる。
周りの人に支えられ、少しずつ成長していく様子は、普通の人となんら変わらない。
何よりも人柄の良さがにじみでていて、読後温かく励まされた気持ちになる1冊である。