著者は、著名な仏教史学者(文学博士)であり、また浄土宗の僧侶でもあります。
そんな著者が、法然上人の人と教え、そして法然上人とゆかりのある人達について、詳しく丁寧に記述しています。
法然上人の書かれた手紙類や『選択本願念仏集』などの古文献の原文が随所に引用されていますが、ありがたいことは、全てに必ず現代語訳の読み下しがつけてあることです。
とくに、第8章の「専修念仏の教え」は、法然上人の教学のエッセンスを解説しているのですが、まるで法然上人が目の前で語ってくれているかのごとき錯覚を覚えるほどに圧巻です。
法然上人の、常に弱者に寄り添う優しさ、物静かでスケールの大きな教えを存分に味わえる名著だと思います。