◆「死刑囚パズル」
死刑台に立ち、首に絞縄を巻かれた囚人が、刑務官によって
執行のボタンが押される直前に、ニコチンで毒殺された。
なぜ、死が確定している人間を、わざわざ殺害する必要があったのか?
拘置所を舞台に《消去法推理》が駆使されることから、
明らかに、クイーン
『Zの悲劇』が踏まえられています。
また、クイーンの影響ということでは、
『Xの悲劇』などに見られる
《見えない人》の発想が、犯人特定に繋がる点も見逃せません。
そして、容疑者を限定し、一旦すべての容疑者が犯人の条件に該当しない、
と消去したあとで、それまで盲点だった人物を提示していく手筋も、クイーン
特有の
手法に倣っているといえます。
◆「カニバリズム小論」
タイトル通り、「人喰い」をテーマにした作品。
「犯人はなぜ被害者の死体を食べたのか?」というホワイダニットが焦点です。
綸太郎とその友人との対話形式で物語が進み、その中で、古今東西の
カニバリズムについての知見が引用されるという衒学的な展開を見せます。
議論の果てに導き出される結論にも驚かされますが、
最後の最後で炸裂する、叙述トリックには脱帽でした。
◆「黒衣の家」◆《図書館》シリーズ