2006年から2007年にかけて話題となり、当事者日興コーディアルが上場廃止の瀬戸際に追い込まれた大規模粉飾決算。これを最初に告発した著者のレポートをまとめたもの。日興のほかに日本航空、ライブドア、NOVAの粉飾決算事例がわかりやすく解説されている。
企業が隠蔽した粉飾決算を公開された財務諸表から暴いていくプロセスは、まるで推理小説を読むかのよう。著者の当該企業と粉飾の手助けをした監査法人に対する強気の語り口も小気味よい。
「本件は元中央青山監査法人の上層部がずっぽりと関与している組織的犯罪なのである」
「日本航空は平成19年3月末時点において、その企業継続の前提に重大な疑義(ゴーイング・コンサーン)がある」
「この(NOVAの)ビジネスモデルは上場段階で既に破綻していたのである」
などなど。
特に日興コーディアルの粉飾決算に果たしただろう中央青山監査法人の役割を克明に記し、事実その通りだったところは圧巻。結果日本の4大監査法人の一翼を占めていた中央青山監査法人は、あえなく清算に追い込まれる。
無機質に思える企業会計も、こんな風なエンタテイメントとして仕上がる、というのが面白い。多少なりとも会計知識があったほうがより楽しめるはず。