本書は、著者が1980年代初頭に法学セミナー誌に連載し、
1982年に単行本化されたものですが、このたび講談社学術文庫に再録されました。
本書は、文字通り法学と哲学との交点にあたる「法哲学」につき、
私たちに身近な題材から説き起こすというものです。
目新しく感じるのは、西洋哲学のみならず、
中国の諸子百家の著作にも多く依拠している点です。
実定法全体を手のひらに乗せ、
哲学の視角からあーでもない、こーでもないと論じる本書は、
話題の豊富さや巧みな文章力といった点で、類書から秀でています。
学生時代、基礎法学の学習を怠って政治学系の科目などに逃げた私のような愚か者に、
うってつけな一冊だと思いました。
ただし、本書はあくまで「法哲学」の入り口まで誘うに過ぎませんが…。