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法と経済学
 
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法と経済学 [単行本]

スティーブン・シャベル , 田中 亘 , 飯田 高
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商品の説明

内容紹介

本書は、法と経済学に関する詳細な教科書であり、取り上げられている法分野は、所有権その他の物権法(知的財産権法を含む)、事故法(過失による不法行為に関する法)、契約法、訴訟法および刑事法といった広範な領域に及ぶ。また、本書の最後のパートでは、法と経済学の規範的な基礎となっている厚生経済学について解説しているほか、伝統的な法学において重要視されている道徳あるいは公正の観念についても、興味深い洞察が展開されている。
本書の原著は、四半世紀以上にわたって法と経済学の発展をリードしてきた第一人者の手による、この分野におけるもっとも信頼できる教科書である。法と経済学を支持するにせよ、批判するにせよ、まずは本書にぜひとも目を通し、この学問分野の基本的な考え方について理解したうえで、行うようにして頂きたい。
原著者が序文で強調しているとおり、本書の目的は、法学や経済学の専門知識を持たない者にも、法と経済学の内容を分かりやすく伝えるところにある。そのため、微細な法理論に立ち入ることもないし、高度な数学を用いた分析も(脚注を除けば)登場しない。したがって、本書の内容は、法律の専門家あるいは経済学者だけでなく、法制度や経済学に関心をもつ一般の読者にもお勧めできるものである。また、法制度が個人の行動、ひいては社会全体にどういう影響を及ぼすかをシステマティックに分析する法と経済学の手法は、本書で扱っている基本的な法制度の分析だけでなく、あらゆる政策判断に応用できるものである。その意味で、本書は、立法や政策の立案に携わる人々にも、ぜひ手にとって頂きたい。
原著の文章は、きわめて論理的かつ平易であり、訳出に際しても、そのような特長を損なわないよう、できるだけ明確でわかりやすい日本語にすることを心がけた。また、この分野の主要な研究が英語で発表されていることを考慮し、重要語句については、かっこ内で原語を明示し、索引にも掲げた。膨大な引用文献のリストもそのまま掲げ、読者がそれを手がかりにしてさらに進んだ研究ができるように配慮している。また、原著では文章のみで説明されている箇所のいくつかにつき、原著者の了解を得たうえで、理解を容易にするための図表を付した(追加した図表は訳注で明記している)。
原著は、基本的には、アメリカの法制度を前提にした分析を行っている。そのため、法制度に関する原著の記述は日本法の内容とは異なっていることが少なくない。そこで、本書は読者の便宜のため、ほぼすべての章に訳注を付し、日本法の内容およびアメリカ法との異同を説明した。
本書では、読者の理解に資するため、訳者の責任において、巻末に「数学の補足」を置き、本書で用いられている数学について最低限の説明を行った。併せて、知っておいたほうが有益な経済学の概念(限界効用や期待効用の最大化など)についても、説明を行っている。
これらの工夫により、本書は、原著を読むために十分な語学力をもつ読者にとっても、手にとる価値のあるものになっていると考える。(「訳者まえがき」より抜粋)

内容(「BOOK」データベースより)

法学や経済学、数学の専門知識を前提とせず、法制度全般にわたり法と経済学の本質をわかりやすく解説。日本法との異同や内容理解を助ける図表等を訳注で適宜挿入。巻末に日本語版独自の「数学の補足」を付した。

登録情報

  • 単行本: 880ページ
  • 出版社: 日本経済新聞出版社 (2010/1/26)
  • ISBN-10: 4532405858
  • ISBN-13: 978-4532405854
  • 発売日: 2010/1/26
  • 商品の寸法: 21.4 x 15.6 x 5.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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33 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書は法と経済学の基礎を平明に紹介してくれる良い教科書であり,分厚いですが,数学の知識に乏しい私のような者でも(数学的な説明の詳細を無視すれば)スイスイと読み進めることができます。

 正直にいうと,自分自身も法の経済分析を何となく肌に合わないものとして毛嫌いしていましたし,会社法などの経済法分野では妥当するにしても,他の法分野でそう上手くいくのだろうかと疑問に思っていました。しかし,本書第24章の「刑法」についての説明を読んで,そのような印象は全く変わりました。

 故意犯処罰の原則や未遂犯処罰の根拠,更には錯誤論などの刑法独自の概念についての法と経済分析の観点からの説明は,刑法学の伝統的な論理にしか接してこなかった者にとっては,本当に目からウロコものです。本書を読むと,「なるほど,法と経済分析の観点からは(ある制度の存在理由について)そのように説明ができるのか!」という驚きと同時に,「これまでの立法や伝統的な法律学も,実は法と経済分析の観点を多分に取り入れているではないか!」という両面の驚きがあります。

 伝統的な法律学の中に既に取り入れられている法と経済分析的な説明を自覚的に取り上げて精緻化するためにも,特に法学部生の段階で本書を読むことは非常に有益であると思います。経済学や数学を毛嫌いしている人にこそ読んでもらいたい一冊です。

 最後に,法実務の観点からの雑感ですが,法と経済分析は,立法の場面には当然に大いに活用されるべきであるし,法律学においても取り入れられるべきであると思うのですが,司法の場においては法と経済分析的な説明を裁判の理由付けとして用いることには困難があるのではないかと思われます。
 というのも,民主的な正統性や社会的厚生の計算を行う能力に欠ける(とされる)裁判所が,「このような結論が社会的厚生を最大化するので正しい結論である」という理由付けを裁判において明示的に採用することはできない(不可能でないにしても困難である)からです。
 そうすると,現実の法実務(裁判)に役立つ法理論としては,やはり伝統的な法律学のドグマティックな説明が支配的にならざるえを得ないのではないかと思います。このような事情も,法と経済分析が法律学の主流に明示的に取り入れられない理由かも知れません。
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