一気に読んだ! 著者いわく、本書は「法学の本でもなければ、経済学の本でもない、また専門書のようだけれど、それよりも親しみやすい『法と経済』の本」。読んだ印象は、全くの「諾!」。採用、解雇、貧困、労働者性、格差、労働条件不利益変更――等々、労働経済学と労働法学の最新トピックを扱いながら、すごく理論的だけど、かなり実践的で、そしてどこか前衛的な純文学の香りも漂う、そんな不思議な「法と経済」本といった感じ。各章冒頭にあるストーリー(架空の登場人物が織りなす人間模様)が本書をより身近に感じさせる。時代を背負った普通の家族の困難と日常が、巧みに計算された時間軸で再構成されていた。本論とともに読み進むうちに、自らに置き換えて、「働くことの不安と楽しみ」を考えさせられた。我々を取り巻く日常を法学と経済学の視点で読みとけば、どんなに面白く刺激に満ちていることか。思考訓練に最適な良書。ぜひご一読あれ!