中井久夫氏が論文を寄せています。
いつかはみすず書房のエッセイシリーズに収められるだろうなと
思う文体です。全著書を持っている人なら、ああ、あの人ね。と
わかる症例も載っています。症例というよりは、話でだけ知っている人の
新しい情報を得て、そうだったんだーと納得する感じ。
とにかく新しい所見を探している人には食い足りないでしょうが、
求めるところが間違っています。
中井氏以外の内容としては座談会の「精神疾患の長期経過」が
面白く読みました。親を失った後の入院患者がごたごたごねなくなっていく、など。
淡路島ブシコーゼという地域精神病があるそうで、「発病」した先輩を
傍目で見て無意識に病気の在り方を学んでいる若い未発病者がいるわけかーと
考えると、何とも言えない。
井原裕氏の「人生の目的は通院ではない」が正論で、猛烈に納得します。