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芥川は、この『河童』を書き上げてから僅か5ヶ月後に自ら命を絶っていますが、この3篇にはいずれも、ゆらゆらと死の影が漂っています。
『河童』では、社会風刺というよりももっと厭世的な目で眺めた人間社会が描かれ、『蜃気楼』には、「水葬した死骸に付けた木札」を拾ったり、砂に埋まった遊泳靴を「土左衛門の足」と見間違えたりなど、不吉なモチーフが次々と現れます。そして『三つの窓』で書いたように、「XXはいつのまにか彼自身を見離していた。」のでしょう。
芥川が自殺したのは、「強度の神経衰弱に結果する発狂へのおそれ」(吉田精一/解説)が理由だったようですが、その発狂することへの恐怖心が、3篇を通してじりじりと伝わって来ます。
半分、黄泉の国に魂を置いたまま、書かれたような小説たちでした。
精神が健全でない状態の人が手に取ると、危険過ぎるかもしれません・・・。
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