ギャグのセンスが有る漫画家さんには恐怖物を上手く描く素養のある方が多く、奇才明智抄とホラー物の相性が実に良い事を示した作品です。
河童=猿猴(エンコウ)「親に殺された子供がなる水妖」を狂言回しとした連作短編が6作収録されています。
過去作者が多用したシュールな設定から、今回は猿猴と言う民話的な物に代わった事により、逆に作り話を読む安心感が薄れ、隠匿された児童虐待の持つ恐ろしさを際立たせる為の技法に見えた程、心胆寒からしめる作品が有りました(第二話、四、五話)。
特に二話に出てくる女性サヤカの描写が余りにも凄まじい為に、良くある落ちが逆に救済感を強く醸しだしてて、いや、確かにこういう魂には人間界の罰則が無意味に思えてしまう時が有るなあ、と思わす納得してしまいました。
まったく、少女や猿猴のデザインが可愛いだけに参りました。
決して誰もが楽しめる作品では無いと思いますが、傑作だと思います。同時収録の「砂漠蛙」も佳作です。