正直、値段も値段なので購入するかどうか迷いましたが、「クゥ」の映画が素晴らしかった事と、幼少の折から作品を拝見している原恵一監督初の(??)コンテ集という事で、思い切って購入しました。
先ず驚いたのが、届いた梱包を開けた時。
そこにはブ厚い英和辞書や辞典を一回り大きくしたような書籍が、鎮座していたのです。
取り出すために手を伸ばすと、昨今の書籍では味わえないような重量感が‥‥‥。原監督の本作品への情熱の大きさが、ひしひしと指先に伝わって来ます。
巻頭に原監督の挨拶文が掲載されている以外は、完全に絵コンテのみ。(一部、扉絵などはありますが)
シンエイ動画のコンテ用紙を、そのまま印刷してしまったイメージで、コンテというものを見慣れていない方には、手抜きした漫画のようにしか思えないかもしれません。
一応、原監督の演出意図などについての注釈が、ページ下部に活字で頻繁に追記されています。演出上の苦悩のみならず、思わず「ニヤリ」とさせられる内容も多く、そこだけ読んでも楽しめます。
ラッシュ試写後にカットされたという、36分の未公開シーンもコンテとしてそのまま掲載されていますが、多くが日常的な描写のためか、意識して読まないとスラスラと読み飛ばしてしまいます。(コンテの流れが不自然ではない証左。原監督がカットする事を悩んだというのも頷けます。が、映画自体はもう20分位、短かったら最高だったと思いましたが)
3時間にも及ぶ作品のコンテであるが故のページ数の多さや、本としての紙質の良さ、前述した原監督の注釈などを加味すると、4,000円+消費税という定価も納得の一品です。
とはいえ、アニメや映画に興味のない、一般の方々が手を出すのは避けた方が無難ではないかと。映画の感動を追体験する、という用途には不向きですから‥‥‥。