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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
面白くなりそうな予感あり,
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レビュー対象商品: 沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (トクマ・ノベルズ) (単行本)
さて。長いタイトルですが、本書「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」は夢枕獏さんの本で、一応すでに完結しているもの新書サイズとなって再登場したものです。夢枕さんは現在も「キマイラ」「陰陽師」「餓狼伝」「サイコダイバー」などなどの完結していないシリーズをたくさん書いておられるのですが、これはきちんと完結しているという事もあり、手をださせてもらいました。なんせ完結していないシリーズに手をつけると続きが気になって仕方ないから(とはいえ買うんですが。今日も今日とてグイン・サーガの新刊、第115巻「水神の祭り」を買いますが)できるだけ避けるようにしているので。 で、本題に戻して紹介ですが、本書の主人公は、タイトル通りの「空海」と「橘逸勢(たちばなのはやなり)」の二人です。話が進んでいくとまた変わるのかもしれませんが、一巻ではこの二人でなんとなく「陰陽師」の阿部晴明・源博雅コンビに雰囲気がよく似ています。この二人が遣唐使として中国の長安に渡って、怪異に介入するところまでがこの一巻なんですが、なんていうんでしょうか、かなり壮大なスケールの話になるような予感をさせる仕上がりになっています。もちろん、史実からしても当時の遣唐使の常識的な二十年というようなな長い期間は空海は唐にいませんでしたから、話的には数年の話になるのでしょうけれど、大風呂敷をひろげてくれそうな感じがあります。 この調子であれば、話のふりにでてきている白居易とか楊貴妃とかも絡んできそうだし、かなりおもしろくなりそうな予感があります。空海といえば、司馬遼太郎さんの「空海の風景」でもその天才ぶりが描かれていましたが、本書でも同様に、彼は何でも吸収し、楽しんで咀嚼する傑物として描かれています。歴史的事実を見ても、確かに同時期に海を渡った最澄と比べてそういう側面は強くあったようで、それが夢枕獏の作風と見事にはまってとても魅力的なキャラクターとなっています。 蘊蓄を語り、法力を駆使してあやかしを退けたりする超人的な部分もさることながら、なにもかもを飲み込んでいこうとする力強さに強く惹かれます。これくらい人間バイタリティがあるとなんだってできるだろろうなぁとちょっと羨ましくも思ったりです。 巻ノ一と二が同時発売されていて、三と四が今月末のようなので楽しみにしたいと思います。
10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
『陰陽師』好きなら入りこみやすいかも,
By さとなが (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (徳間文庫) (文庫)
栄華の後の衰退をたどり始めた唐を舞台に、空海という異能者に、秀才ではあるが枠の中に生きる橘 逸勢を組ませており、 平安朝−安倍晴明−源博雅のラインを彷彿とさせる。 1ノ巻〜2の巻を読んだだけだが、あえていうと、 夢枕獏の、静かな水銀の湖のような安倍晴明というより、岡野玲子の、変遷していく安倍晴明の方に近いかもしれない。 3の巻以降で、夢枕獏がどのように化けさせるのかが非常に楽しみ。 なお、天才としての空海は、夢枕獏が独自に作り上げたのではなく、 司馬遼太郎の『空海の風景』(中公文庫)でも十分にうかがうことができる。 こちらも合わせて読むと、更に楽しめると思う。 また、同時代人としての白楽天が出てきたり、胡人達が絡んでくるのも、なかなか興味深い♪
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
夢枕獏が描く空海は生き生きとして格好良い,
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レビュー対象商品: 沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (トクマ・ノベルズ) (単行本)
私は夢枕獏の熱心な読者ではありませんので他の作品との比較はできませんが、文句なく面白かったです。これが夢枕獏節なのかと思うと、彼が流行作家としての地位を築いているのも頷け、別の作品も是非読んでみたいと思うように。本書は言わずと知れた日本史におけるスーパースター、空海を主人公とした歴史ものファンタジー。玄宗・楊貴妃の安史の乱、それを歌った白居易の長恨歌・・・、通常の空海伝では登場するはずもない人物や歴史的事項を巧妙に組み合わせた、さながら歴史パズルのような物語です。空海の人となりについても密教がもつ呪術的な側面、空海伝説が彩る神秘的側面が強調されており、およそ現実的・仏教学的な空海像からはぶっ飛んでいます。しかしながら、民間の弘法大師信仰における「空海」を表現しようとすれば、このような超常的能力者になるのかもしれないと思わせもする、泰然とした魅力的な人物となっています。 私は常々、空海が唐留学時代の記録を残さなかったことを残念に思っていました。しかし、夢枕獏のような想像力豊かな作家にとっては、その不明こそが創作の原動力になるのでしょう。同じように自身の想像力を頼りに空海を描いた作家に司馬遼太郎がいますが、本書では端々で司馬の『空海の風景』からの影響も伺えます。合わせて読めば、より空海に親しみを感じることができるのではないでしょうか。 作者は巻末あとがきで、空海の日本編もいづれ書くと言っていますが、それを読める日が来るのが今から楽しみでなりません。
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