90年代、日本でも一大ブームを巻き起こした「ツイン・ピークス」や、「羊たちの沈黙」らサイコ・サスペンスが話題をさらった頃、これらにインスパイアされる形で製作されたと思われる今作。
TVドラマとは思えないそのクオリティの高さに目を瞠ったものの、その後国内で発生した若年層による猟奇犯罪の社会問題化から、スプラッターや反社会ビデオの類が自主規制されて以降、DVD化はおろか、レンタル店からも姿を消していただけに、今回のリリースは、ようやくとの思いが強い。
警視庁科学捜査研究所の犯罪心理プロファイリング・チームの女捜査官沙粧妙子が主人公と言う斬新な設定。
3話単位でひとつの猟奇事件が終焉するも、新たに別の事件が勃発する心憎い構成。
それらの背後で暗躍、事件の鍵を握る人物は、IQ180の天才で沙粧の元上司にしてかっての恋人梶浦。
謎は謎を呼び、混沌、全く予断を許さない展開。全11話、まるでだれたパートがなく、終盤に向かって、ケレン味と共にサスペンスと恐怖が加速する。
ストーリー・テラーぶりを大いに発揮した飯田譲治の才気が素晴らしく、浅野温子、佐野史郎、柳葉敏郎、升毅、、蟹江敬三ら俳優たちのファナティックなキャラを引き立たせる過剰で激しい演技合戦も見ものだ。
“人間というものがいる限り、この世から悪意が消滅することはあり得ない。そして悪意は、目に見えるものとは限らない”。〜これは、今作のタイトルで流れていた惹句だが、正に、人間の持つコンプレックス、疎外感、被害妄想、残虐性こそが悪意=犯罪の根源だとする今作のテーマ、底知れぬ人間の“闇”が見えてくる恐ろしい作品。
今作の成功で、この後類似の和製スリラーのTVドラマが多く世に出たが、文句なしで唯一無比の存在感を持つ傑作、覚悟して鑑賞されたし。