「密約―外務省機密漏洩事件」(澤地久枝)で、沖縄返還に関わる「密約」について、その漏洩事件そのものついては、読んでおり知識もありました。
この本は、その「外務省機密漏洩事件」の当事者である元毎日新聞の記者である西山太吉が、その「密約」の背景にあったものを解説して行きます。その論は進んで、この日米同盟にこそ「密約」が生まれる土壌があると説いて行きます。そして、この日米同盟をそうした体質にしてしまい、今や「情報犯罪」と言えるようなレベルに達した原点は、「沖縄返還」時の共同声明にあるというものです。
その時、そうならざるを得なかった両国の政治的理由、経済的理由が、解りやすく書かれています。当時の佐藤首相の「四選」への意欲や、福田大蔵大臣のポスト佐藤狙いと言った、まさに、個人の政治的野心でこれらの判断がなされたということには、腹が立つのを通り越して、呆れてしまいます。日本人の政治的な関心のレベルの低さが、こんなことを起こしたのでしょうか。