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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
芥川賞作品だが、短くてスッと読める短編,
By itchy1976 (福岡県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 沖で待つ (文春文庫) (文庫)
「勤労感謝の日」「沖で待つ」「みなみのしまのぶんたろう(文庫版のみ収録)」の合計3編の短編集で、計174ページと解説で構成されている。「みなみのしまのぶんたろう」は色合いが違う短編だが、あとの二つは、総合職で働く女性の苦悩について書かれてあるように思える。各短編について紹介します。 「勤労感謝の日」:主人公は現在失業中で、あるきっかけでお見合いをすることになった。お見合いの相手が仕事愛の男で、途中で逃げ出してしまう。主人公は後輩の水谷と喜三昧のマスターに癒されることになる。この話好きですね。 「沖で待つ」:主人公(及川)と太っちゃんの恋愛関係とは違う、同じところに赴任した同期の連帯感について描写してある。2人が働いている様子もありましたが、お客さんだったり同僚などの人とのかかわりの中で、現場を試行錯誤しながら経験することによって仕事人として成長していくんだろう。 「みなみのしまのぶんたろう」:総理大臣の弁当を盗み食いした事が見つかって、南の島に左遷され、その島での生活をするぶんたろうの話。ひらがなとカタカナのみで書かれてあるため、正直読みづらい。
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
あんパン食べながら読んではいけません,
By 唐沢 大 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 沖で待つ (単行本)
随所に小技が効いているものの、まったくもってオオモノ感がなく、なぜこれが芥川賞受賞作なのか理解に苦しむが、とにかくおもしろい。「沖で待つ」もよいが、併録の「勤労感謝の日」がおかしい。語り手が、「野辺山氏」と見合いをする場面。 <野辺山氏は、あえて表現するとあんパンの真ん中をグーで殴ったような顔をしていた。あんが寄ってふくれた部分に水っぽい眼と膨らんだ紅い唇がついていて、ほほが垂れ下がっている。[…]頭のなかではコイツトヤレルノカ?という声がする。うーん、極めて難易度が高い。> こんなの多分電車の中で読んだらふきだして危険だし、もしあんパン食べながら読んでたりしたらあんこもはきだしてもっと危険だし、はっきり言って小説というよりは話芸に近いのだけども、最近小説と話芸の違いもよく分からないし、変にかちかちと硬い小説を読まされるよりこういう方が断然よい。『陰日向に咲く』とかが好きな人におすすめですね。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
こんなに短い文章で、男女の微妙な距離感を描けるなんて!,
By
レビュー対象商品: 沖で待つ (文春文庫) (文庫)
作者が仔細に調べた知識を分厚い本で教えてもらうのも、たまにはいいかもしれないが、こんなに短いストーリーで、深く静かな余韻を残す物語を紡ぎだせる糸山さんは、素晴らしい才能の持ち主だと感じる。男女の気持ちの絡み合いは、肉体関係がなければないだけ、付き合う時間が長くなればなるほど(第三者の参入があった場合はなおさら)、デリケートで複雑で、さまざまなifに満ちた、簡単には説明できないものになる。それを、軽々と鮮やかに描き切ってしまったところに将来性を感じずにいられない。
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