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それを収集するために少しの苦労と少しの冒険?が展開していきます。
収集したものには、さまざまな意味があり、思い入れがあります。
小川洋子さんの作品は、8割方読んでおりますが、
この本はとても小気味よい小川ワールドが繰り拡げられれた
素敵な作品だと思います。
読み進めていくうちに世界に引き込まれ、
自分も何かを収集したくなるかもしれません(笑)
実際に私は、図書館で”博物館”に関する資料を閲覧してしまいました。
”物”に対する考え方が少し変わる本かもしれません。
『沈黙博物館』は主人公がある村にやってくるところから始まる。博物館を建てるために技師としてやってくるのだ(まだ採用は決まってないが)。その村は、どこにでもありそうな特徴の無い村だった。依頼者は老婆。描写から「ヘンゼルとグレーテル」の魔女を思い浮かべてしまうような老婆だ。言葉も辛辣。彼は、面食らうばかり。なんだか分からないうちに、(無理だと思っていたのに)採用が確定し、どんな博物館かわからないままに、屋敷の離れで暮らすことになった。
問題の博物館は、老婆の言葉通り、世界に一つだけの、増殖し続ける運命にある博物館だった。そしてそれは「物」と「物」が内包する過去とに最大の敬意を表した博物館であった。
舞台となる村は、日本の何処にでもありそうな町のように見えたのに、読み進むうちにいったいどこのことなのか分からなくなっていった(もっとも、『寡黙な死骸 みだらな弔い』の舞台の町とこの村は同じ場所ではないかという気がしたが)。情景はありふれているのに、だんだん、非現実味を帯びてくるのだ。しかもするりと非現実的なことが起こるので、こちらもするりと受け入れていて、気がつくとよくわからないところに放り込まれてしまっている。ひきこまれている。話は淡々と進むのに、次の展開にハラハラする。いつ誰が消えてしまっても不思議じゃない危うさがある。どちらが現実なのかさえわからなくなる。ゆっくりと読みたかったのに、一息に読んでしまった。
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