きわめて個人的なうぬぼれで恐縮だが、この本を書店で手にし、ぱらぱらページを手繰り、レジに持っていった自分の直感をホメてやりたい。大正解でした。大々的に宣伝しているものにもハズレが少なくないのだ。
日本には8万もの神社がある。名所旧跡としていつも人びとで賑わっているものから、集落のはずれで訪れる者も少なく、いまにも朽ち果てようとしているものまで……。だが、意味のないものが残っているはずがないのだ。そこに祀られている神々。そして伝説。これらは土地の人びとが意識的に守り続けてきたものなのだ。なぜ、残そうとしたのか。それは一般に流布された「正史」から疎外され、封印されてしまった「真実の歴史」が秘められているからではないか。無視された庶民の、あるいは時の権力に敗れ去った者たちの言葉が隠されているのではないか。著者はそれらを果敢に読み取ろうとする。日本人として生まれたからだろうか。少なくとも私は、『ダ・ヴィンチ・コード』より面白かった。奥付を見ると2刷とある。じわじわと面白さが浸透していくようで、楽しみだ。