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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
古代中国は奥が深い,
By シーフの帽子 (愛知県刈谷市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 沈黙の王 (文春文庫) (文庫)
表題の物語は、殷(商)の中興の祖高丁が、中国最初の文字である甲骨文字を生み出していく経緯を描いた物です。その他をあわせた短編集なのですが、后げい(弓の名手)、褒似などを主人公に、かなり中国史の中でも神話に近い部分を取り扱っています。その意味で作者のイマジネーションで溢れ返っています(完全に歴史小説ではなく、神話小説の域に入っています)。歴史的事実からは離れてフィクション性がずっと強い物になっています。 それだけに謡のような文章が多く、この作者の作品の中でも難解な部類に入ると思います。しかし、本当に中国の歴史の幽玄に触れられる作品です。非常に奥が深い、何度読んでも飽きることのない小説群です。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宮城谷・中国古代もの・短編集の中では最も好きな作品の1つです。,
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レビュー対象商品: 沈黙の王 (文春文庫) (文庫)
宮城谷・中国古代もの・短編集の中では「孟夏の太陽」と並んで大好きな作品です。特に好きなのが、中国で初めて文字を作り出した商(殷)の高祖武丁を描く表題作と、周の東遷の混乱とその中で周を支えつつ、領民を新しい土地に導く名君主の活躍を記す「妖異記」「豊穣の門」の連作が感動的です。「目にも見える言葉」を得た武丁。著者は白川静先生の漢字学を崇敬しているので、その漢字の生まれる瞬間を小説にしてみたかったのでしょう。一方の西周から東周への激動の時代は、素材自体が面白いから、それを著者が腕によりをかけて料理した小説が面白くないはずがない。傑作です。最近著者の「三国志」を読んでいます。文献が多くて史実の縛りが多い時代を描くのも著者は上手ですが、著者の本領は自由に想像・創造の翼を広げられる、それこそ文字がない、あるいはあっても文献資料が少ない古代もので一番発揮される、との思いを本書を再読して強く持ちました。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
何度も読み返す味わい深い短編集,
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レビュー対象商品: 沈黙の王 (文春文庫) (文庫)
宮城谷さんの初期の短編集なんですが、たまたま書店で見つけて買ってしまいました。本の整理がまったく出来ていないので、家にあるのはわかっていながらおそらく今後一年くらいサルベージしないと出てこない本だったりすると稀にこうして再購買という事があります。当然、かなり好きな本でないとそういうことは起こりえませんが。 さて。そんな訳で、宮城谷さんの「沈黙の王」。 古代中国ものの短編集です。収録作品は「沈黙の王」「地中の火」「妖異記」「豊穣の門」「鳳凰の冠」の五編です。「沈黙の王」は、商の二十二代の王の武丁が文字というものを初めて世界で制定しようとするまでの話。もちろんこの時の字は感じではなくて甲骨文字です。続いて「地中の火」はさらに時代をさかのぼって、夏王朝の初期にこれもまた初めて弓を使用した狩猟民族の王、后ゲイ(ゲイの字が出ません)と配下の男の話。「夷」という字の成り立ちに関わる話です。そして「妖異記」と「豊穣の門」は周王朝末期の名君の鄭君の友と、褒ジ(ジも出ません)の話です。褒ジについては、笑わないお妃様で有名な方です。 このような古代の話ですが、そこには宮城谷さん風に解釈された気持ちのいい絵巻物風の世界が広がっており、いつもながら気持ちをからりと晴れさせてくれます。じめじめとした雨が続くこの季節には、ちょうどいい感じです。ただ、割合と歴史好きの人以外には本当にマイナーな人物たちが主人公なので、そのあたりは留意してください。あ、でも、まったく知らない物語として読むとそれはそれで新鮮かもしれませんね。エピソードを知らない物語の方が新鮮かも知れませんから。
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