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沈黙の海-最後の食用魚を求めて
 
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沈黙の海-最後の食用魚を求めて [単行本]

イサベラ ロヴィーン , 佐藤 吉宗
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

スウェーデン西海岸には、数世紀にわたって小規模な沿岸漁業で生計を立ててきた漁村があった。そこでは、「海が許容する以上の魚は獲らない」というのが漁民たちのルールだった。
しかし、1980年代に入ると他の漁港から大型の漁船が次々とやってきて、この漁港の沖合いで操業を始めた。最初はなす術もなく眺めていた地元の漁民も、負けじと海に繰り出し、夜も週末も関係なく漁を行うようになった……。
かつては「海の魚は尽きることがない」と考えられていた時代もあったが、1950年代に先進国が漁業を産業的に大規模に行うようになって以来、世界中の海で魚の枯渇が懸念されるようになってきた。
スウェーデンなどヨーロッパ諸国の行政機関も、漁の規制と漁船数の削減が必要だと認識するようになったが、彼らの行った政策は逆に乱獲を助長することになった。沿岸漁業を営んできた小型漁船を次々とスクラップにしていく一方で、大型漁船のさらなる近代化が推し進められている。また、がんじがらめ規制のために、スウェーデン近海だけでも毎年数千トンにおよぶ魚が陸揚げできず、海やゴミ処分場にそのまま投棄されている。
問題はヨーロッパだけに留まらない。新たな漁場を求めるヨーロッパの漁船のために、EUはアフリカなど途上国近海の漁業権を買い取り、そこで新たな乱獲が行われている。そのために生活の糧を失った地元の漁民が経済難民や海賊となることで、新たな問題が生まれている。
本書は女性ジャーナリストである著者が3年がかりでまとめたもので、スウェーデンで刊行されるやいなやベストセラーとなり、人々に衝撃を与えた。その内容は、漁業大国日本の漁業や私たちの食に対しても、大きな示唆を与えるものである。

内容(「BOOK」データベースより)

環境先進国スウェーデンでも見落とされていた重大な問題とは!?魚の消費国日本にも重要な意味をもつ一冊。スウェーデン・ジャーナリスト大賞&環境ジャーナリスト賞受賞。

登録情報

  • 単行本: 404ページ
  • 出版社: 新評論 (2009/12/2)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4794808208
  • ISBN-13: 978-4794808202
  • 発売日: 2009/12/2
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 419,582位 (本のベストセラーを見る)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Europe
形式:単行本
ヨーロッパの政治・経済と、環境問題という互いに少々異なる2つの関心を持っている私にとっては、その両方の関心を満たしてくれる興味深いノンフィクションでした。

環境問題を扱った書物では、漠然とした問題の描写しかしていないのに危機意識ばかりを煽るだけのものがありがちですが、この本は問題の描写だけでなく、数値やデータ、根拠となる報告書などをいくつも提示しており、非常に説得力があります。

EUの政治の舞台裏も読むことができて、面白かったです(EUの組織ってなんてこんなに複雑なの!?)。アフリカの沿岸国の現地リポートをまとめた章が一つありますが、驚愕してしまいました。お金持ちの先進国が途上国の海を空っぽにしているという状況がよく分かります。

終章には解決策も提示されていますので、私たちがこれから何をしていくかを考えるときの参考になります。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
そもそも環境先進国スウェーデンで、なぜ海洋環境が見落とされていたのか?
EUに加盟しているため、自国の判断だけでは決められない漁業政策で、
国内では、禁漁を含めた大幅な漁業制限が必要だとする方針もあったのに、
この数年は、毎年実際に収穫できる以上の漁獲高がEUから割り当てられる。
なぜEUでは、このような「乱獲の義務」がまかり通ってしまうのか?
しかも抜け穴だらけの政策で、大量の違法操業も取り締まることが出来ない。

海の漁業を巡るこんな悲惨な状態が始まったのは、比較的最近のことで、
そのきっかけは、EUの漁獲制限のための補償による漁の効率化だったと言う。
何のことかと思えば、漁師に対する補助によって船の漁獲能力が上がると、
漁師は自分の近海の魚を取り尽くしてしまい、ほかの漁場で魚を取り始める。
するとそれまで、資源としての魚を減らさない程度に漁をしていた漁師が、
余所の漁師にばかり獲られては困るから、自分たちも競って魚を獲るようになる。

海の中から食用魚が激減する現状を取材し、問題点を探っていくなかで、
これは温暖化や海洋汚染と言った、科学的な環境問題などではなく、
もっと根元的な人間の価値観に根ざした、政治経済文化の問題であると気づく。
その根底にある「大量諸費を是」とする価値観が見直されない限り、
この問題は解決しないとする、作者のメッセージが斬新な本でした。
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