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他のレビュアーも書かれているとおり、同じ話がくり返されているような気になるので、飽きっぽい人にはちょっと辛いかもしれない。そういった気になる原因は、ひとつは化学物質のなじみのなさにあると思う。ベンゼン・ヘキサクロリドにアミノトリアゾールに、ヘプタクロール。こうした化学物質の名前がこれでもかというくらいに出てくる。もちろん化学物質には区別のため名がなければならないし、機械的にアルファベット3文字か長いカタカナで表わされるのもしかたのないところだ。けれども、何十年たってもそうした化学物質の名前がなかなか定着しないことが、本と読者の壁になっている気がしてならない。
原著がアメリカで発行された当初は、これだけ大量の報告があれば、すごくセンセーショナルな本だったのだろう。けれども「『沈黙の春』が環境書の原点」という話がもはや常識のいま、この本を読む目的はもっと別なところに移っているんじゃないかと思う。
たとえば、『沈黙の春』が出版されたときにくらべて、環境問題についての現状がどう変わったかを考える尺度の基準として読む方法がある。国家や大企業が「環境か経済か」というスタンスにどう向きあっているか。少なくともアメリカ政府が京都議定書を無視したり戦争をくり返したりしている態度は、『沈黙の春』の頃となにも変わっていないような気がしてならない。
環境問題に対し、本書が書かれた当時より研究も進み、環境問題への社会的な認知や、人々の意識もだいぶ変わったのにも関わらず、この本はそのさきがけとして、環境問題の根本を映し出している作品である。
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