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20 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
戦後日本の背後にあった真実,
By ラスカル "ラスカル" (神奈川県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫 (文庫)
瀬島龍三という人物の半生から、戦後日本の裏面史を追う。戦後の経済界で確固とした地位を得ることができたこの人物に、本書では、責任を曖昧にする日本的土壌における典型的なエリートの姿を映し出す。ただし、戦前の官僚・軍の幹部が公職等に復帰したことの背景には、共産主義の台頭という世界情勢を背景としたGHQの方針の転換(「逆コース」路線)があったというのも事実であり、日本的土壌に対してのみ、問題の本質を還元させるというのは一面的過ぎるかも知れない。また、本書では、戦後賠償ビジネス、FX商戦について等、現代にも繋がる問題の絡繰りが明らかにされる。最後の崔英沢のインタビューはなかなか興味深い。満州の避難民の話は、何度読んでも胸が痛くなる。 日本の戦後は、民主化の名の下に、魑魅魍魎が政治や外交の背後で暗躍した時代でもある。1976年のロッキード事件以後は、それらの力は縮小したものの、結果的にその「呪縛」は1990年代にまで続いていた、というのが平成不況の背後の裏面史であった。そうした時代に比べれば、今世紀に入って以降の政治や外交は、かなり「清らか」なものなのではないか。小泉政権の終焉以降、この流れが今後どちらの方向に進んでいくのか、注目される必要がある。
76 人中、65人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
義父と瀬島龍三,
By aki (よこはま) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫 (文庫)
私の義父は、シベリアに7年抑留され戻ってきた。あの有名な瀬島さんは、私たちと一緒に苦しい生活を送ってきたんだぞ・・と話を聞いた。 「昭和の影のドン」とも言われた瀬島龍三の人生を通して、日本という国の歴史の一頁をみた。 そして思ったこと。 彼は、分析能力・判断力がずば抜けて秀でていたこと。 官僚としての生き方。 その力は、陸軍参謀本部で如何なく発揮され、その後も伊藤忠、そして国家の中枢にいる人たちからも参謀格として重んじられていたこと。 エリート中のエリート。 その生き方は、もし、会社人間として彼を評価するなら本当にすばらしい人間であるのだろうと思った。 多分の今の日本の教育は、彼のような人間を育てるためにあるのであろう。 しかし、読んで感じたことは、多くの人が苦しみ、死んでいった戦争の中心にいたにも関わらず、彼はその苦しみをほとんど感じなかったであろうということ。 彼の配下に多くの部下がいただろうが、ソレはあくまで駒で、駒にもこころがあるということを理解しない。 (理解する意味も持たない) 私の義父は晩年、近所の教会の前を毎日掃除していた。 シベリア抑留がたたって、体をこわし心臓パイパス手術も行った。 彼は、「ロスケにも悪い人もいれば、良い人もいる」といい、 あんなに苦しい思いをしたのに、 生きるために必死でおぼえた片言のロシア語で、ロシアの人を見かけると笑いながら話しかけていた。 近所の教会の神父に「いつも掃除ありがとう」といわれて、「私はお金の献金はできないが、労働でお返ししますよ」と笑っていた。 貧乏ではあった。 余計なお金はもっていなかった。 料亭にもいかなかった。 けれど、彼はいろいろなものをもっていた。 「瀬島龍三ってね」と義父から聞いて、一度彼の本を読んでみたかった。そして、そんな感想を持ちました。
37 人中、31人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これからの日本を考えるために,
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レビュー対象商品: 沈黙のファイル―「瀬島 龍三」とは何だったのか 新潮文庫 (文庫)
太平洋戦争から戦後、そして現代に至るまでの日本という社会を瀬島隆三という人物を通して解明していく。なぜ日本が戦争で負けたのか、しかしそれにもかかわらず、戦後に劇的な経済成長をなしえたのか、よく理解できる1冊。戦時中は作戦が失敗しても責任追及はされないが、組織に逆らって正論を唱えると左遷されたという。今の日本が陥っている状況の原因はこのあたりにありそうだと納得してしまった。テンポよく読める本である。
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