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沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)
 
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沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫) (文庫)

山崎 豊子 (著)
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メタローグ

日本を代表する航空会社の凄まじいまでの腐敗。85年の御巣鷹山事故の衝撃を出発点に、その内実を描いたノンフィクション・ノベル。全5巻の大作ながらベストセラーになった。労組活動を「アカ」呼ばわりされ、海外の僻地勤務を命じられた主人公・恩地に、リストラ社会を生きる人々の共感が寄せられたのが一因だろう。だが、もっと重要なのは、だれもが知るあの会社をモデルに実在人物をも特定できる形で汚点を紡いだ「蛮勇」ではないか。たとえ事実と創作の混線ぶりが気になるにしても。「白い巨塔」の財前や「不毛地帯」の壹岐でなく、企業内で黙々と働く恩地が英雄という閉塞時代に、私たちはいる。(藤谷浩二)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved. --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。


内容(「BOOK」データベースより)

パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家族との別離―。焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめていく。そんな折、国民航空の旅客機が連続事故を起こす…。

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5つ星のうち 5.0 半国営という視点で見ても, 2004/4/15
こういう良質な小説が、文庫本になって残るのは、ありがたい。
小説としているが、取材を重ねたドキュメントと言っても良いと思う。
それくらい不条理、かつ、その時代に生きていたサラリーマンの身の振り方次第(経済奴隷となるのか、あくまで主張に向かって戦い続けるのか)で、生かされ方が極端に変わるという面を見せつけてくれている。

読めば怒りがこみ上げ、主人公・恩地を応援したくなる。
小説で気持ちがシンクロして泣けてしまうのは、特に家族を犠牲にしてまで会社に尽くしてきたものに対する、全く非礼な扱いであった。
現代でもそういう面は、多かれ少なかれあると思う。

書かれている題材が、半国営の航空会社であった頃のものとはいえ、海外に展開する会社組織で、従業員を奴隷程度にしか思っていない、日系企業を思い出します。
あの時代から、どこも変わっていないのではないだろうか?と感じたりしました。

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16 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 地球上でもっとも危険かつ獰猛な動物, 2002/3/9
 著者が冒頭に述べている。この作品は取材した事実に基づき、それを小説に再構築した、と。さらにあとがきには、政界と結びついた巨大組織の力の前に、一時は挫折しそうになったとある。

 本書をひとことでいうなら、人の命をあずかる企業の経営人が、国の中枢部と狎れ合い利権と自己保身に走った結果、起こるべくして起こった日航の御巣鷹山事故、その背景と真相の真摯な解明である。

 読んでいる途中、あまりの毒気に何度となく本を伏せた。ページを繰る手がすすまない。地位、名誉、権力、金の魔力の恐ろしさ、その中を泳ぎ抜くために絞る知恵のうす汚さ、節操のなさ。そこで俗にいう世渡り上手は、みごとに《人間らしさ》を殺ぎ落としていく。《倫理》ということばが廃れていく久しいが、信仰のうすい民族が倫理観まで失ったら、あとに何が残るだろう。うそ寒いものを感じる。登場人物の中には心を洗われるような人間もいるだけに、よけいその対比が著しい。
 それにしても著者のご苦労が偲ばれる。読んでいて苦しいのだから、書かれる立場はいかほどであったろうか。現在を生きる作家の使命として、面を上げて不条理を書き上げられたことに深い感銘を覚える。

 ニューヨーク、ブロンクス動物園の《鏡の間》では、この地球上でもっとも危険かつ獰猛な動物にあえる。それは鏡に映った人間に他ならない。

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8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 夕日よ、さらば, 2003/8/28
外国商法はいかに生真面目な日本人サラリーマンにストレスを与えることか・・・。
労働争議の報復人事で諸外国をたらい回しにされる主人公恩地の今回の流刑先はイラン。
ここは日本人一般に馴染みのない、「ペルシア商法」がまかり通る場所ではあったが、恩地はそこでも自分流の矜持を崩さない。だが、企業の報復はさらに執拗で、約束反故を繰り返すと、今度はケニアへの赴任を命じる。家族とも引き裂かれ、まともな仕事とて無く、ついに恩地に狂気が宿りかける・・。

第二巻はさらに企業の卑劣な陥穽に翻弄される恩地のさらなる運命が加速する。
1巻から継続して読んでいったためか、すでに恩地の運命は私にとって他人事ではなく、彼を応援する旧組合員や応援者らと同一とさえ錯覚してきた。

不条理に負けない男、恩地よ、がんばれ!
やや希望的な終焉を迎えた本編だが、次巻は運命の御巣鷹山編となり見逃せない。

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投稿日: 2001/12/27 投稿者: ざぼん

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