『一億人の俳句入門』の新書版。
新書の手軽さは、やはり重宝。
内容も単行本とほぼ変わりなく、とてもよい入門書だと改めて思う。
取り上げられるのは、知ってる句ばかりだし、とっつきやすい。
俳句を作るつもりはなくても、あぁ俳句ってこういうものだったのか、と目を開かれる感じが心地よい。
季語、切れ字、句切れなし、字余り……等々、すべて丸暗記してテストこそ乗り切ったが、
コドモ心に、鑑賞とはほど遠いなぁと思ったものだ。
しかし、この決まり事と鑑賞が切っても切れない関係であることを、わかりやすく説いてくれるのが本書である。
「古池や蛙飛び込む水の音」は、池に蛙が飛び込んでぽちゃんと音がした、という句ではないのだ。
惜しむらくは、一般の現代俳句の例が削られてしまったこと。
芭蕉、子規、山頭火らの例でも十分に筆者の意図は伝わるけれども、
単行本に収められていた一般の現代俳句との比較によって、よりわかりやすくなっていたので、それだけに残念だ。
細かいことをいえば、単行本は行間をたっぷりとってあるので、そのゆとりが文章のリズムと合っていて読みやすかったような気がする。
ともあれ、いつでもどこでも読めるようになって大変使い勝手がよくなった。