銀行マンとして活躍し、500億円以上の不動産融資を手掛けてきたという著者による「不動産投資に関する融資」に特化したマニュアル本。
昨今の金融機関の収益物件に対する融資の厳しさは、投資家のみならず物件を仲介する立場の不動産業者にとっても悩みのタネ。
では、融資を引きやすくする「必殺技」のようなものはあるのか?というのが多くの人間が知りたいところだろう。
その質問に答えて著者が曰く。
「ない!」
だそうです。
そんな方法があるなら著者自身が教えて欲しいくらいと書いています。
この本に「融資に関する裏技」のようなものを期待していた方は、残念ですが諦めましょう。
「融資に裏技なし」だそうです。
けれど、基本的な事項を押さえる事で「借りやすい状態」に持っていくことは出来そうです。
今、借りれない状態に嵌まり込んでしまっている方は、自分が金融機関の融資担当になったつもりで客観的に見てみましょう。
「この人に継続して融資をし続けたいと思うか?」
その疑問を常に問い掛けていくのです。
借りられない方は大きく分けて3タイプに分かれるようです。
1.不動産に問題がある場合
2.融資希望者に問題がある場合
3.その両方に当て嵌まる場合
金融機関が重視しているのは「資産と負債のバランス」。そして「キャッシュフロー」です。
最初の1棟・2棟は購入できても、次に進めなくなっている方はこのどちらか、もしくは両方が崩れていることに原因があるとみていい。
つまり「借り過ぎ」なんですね。自己資金を入れずにフルローンやオーバーローン購入をしてしまい、返済の比率が高くて余剰資金が出ない。
銀行は「不動産賃貸業」というビジネスに融資するのですから、借り手には「経営者」たる資質が求められます。
それは具体的には「とことん数字に落とし込むこと」ですかね。
具体的な数字に落とし込んで検証できることが、経営者の資質に優れているとみなされるらしいです。
だから銀行マンからの些細な質問に対しても「曖昧な見通しのない返答」は危険です。
それと、数年前の栄光がまだ忘れられないのかもしれないのですが、未だに「物件をフルローンでないと購入できない」方は
ずっと購入できないままになるとみてよさそうです。
もう融資に関する情勢が違うのですから、いつまでも過去の良かった日に固執するのは本末転倒かと。
基本は「自己資金を入れるもの」と考えたほうが後々の破綻のリスクも減少して一石二鳥。
個人であっても法人名義で借りても、経営者なのですから損益計算書・賃借対照表くらいは普通に読めることです。
簿記も2級くらいは最低持っておきましょう。数字に強いことは破綻のリスクを軽減させるようです。
後は融資を受けるには「担当の営業マン」と二人三脚で取り組んでいくことです。
書類を求められたら素早く揃えて提出するし、こちらから属性に関する資料は作成して提出するなどして
銀行の担当者の負担を軽減させるような協力が必要です。
資料的な裏付けがあれば銀行マンも上層部の人間を説得させやすいということ。
その辺は機械ではなく人間同士のやり取りであることを忘れないように。
銀行マンと一丸になって「狭き門を突破する」ような、そんなイメージを常に描くこと。
それがどうやら王道であって、抜け道も裏道もそこには存在していないようです。
元・巨人軍の川上哲治監督は口をすっぱくして教えたそうですよ。
「基本に忠実に」と。
借りれないと嘆いていらっしゃいます方、それをキチンと出来ていますか?