A4サイズ約200頁ほぼフルカラーで、膨大な作品群を流派・系統別にまとめる。流派別にそれぞれの研究者による概説、年代順代表作品図版と解説、画家略歴。巻末に年表も付す。編著者に河野元昭氏、山下裕二氏などの名が見え対談には辻惟雄氏も登場ということで、気持ち狩野派、琳派、奇想系に頁が割かれている感もあるが、写実系、南画(文人画)、禅画、浮世絵もほぼ不足なく網羅しており参考書としては充分な内容。というか江戸期絵画史の普及版のまとめ画集本の中では今のところベストかと。ただやはり頁数の限界で、かなりのビッグネームでも画家一人あたり作品2〜3点程度の収録になってしまうのはやむをえず、人によってはセレクトに不満を感じるところもあるだろう。(個人的には応挙、北斎がそれぞれ3点ずつ、国芳が1点しか入ってないのが寂しい)しかしその辺を割り引いても非常に優秀な入門書。特に、好きな絵はいくつか思い浮かぶが全体的な知識がいまいちなくてもっと知りたいという初心者には格好。なお時代的にはギリギリ江戸時代すべりこみの宗達から幕末〜明治にかぶる芳崖、一信、芳年および暁斎まででそれより前と後ろはアウト。(等伯や友松あたりはハナの差で?アウトです。)前期の狩野派、光信など元気な頃の土佐派、水墨の大家雪舟なども参考程度にすら出てきません。他の書籍をあたってください。