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江戸絵画の不都合な真実 (筑摩選書)
 
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江戸絵画の不都合な真実 (筑摩選書) [単行本]

狩野 博幸
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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江戸絵画の不都合な真実 (筑摩選書) + 若冲  ――広がり続ける宇宙  Kadokawa Art Selection (角川文庫)
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商品の説明

内容紹介

近世絵画にはまだまだ謎が潜んでいる! 若冲、芦雪、写楽など、作品を虚心に見つめ、文献資料を丹念に読み解くことで、これまで見逃されてきた真実を掘り起こす。

内容(「BOOK」データベースより)

近世絵画にはまだまだ謎が潜んでいる!又兵衛、一蝶、若冲、蕭白、芦雪、岸駒、北斎、写楽を取り上げ、その作品を虚心に見つめ、文献資料を綿密に読み解くことで、社会的・政治的・文化的「不都合」として隠蔽された「真実」を掘り起こす。特異の絵師たちの等身大の人間性を深く掘り下げ、絵画に隠された意味を読み解く刺激的試み。

登録情報

  • 単行本: 253ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/10/15)
  • ISBN-10: 4480015043
  • ISBN-13: 978-4480015044
  • 発売日: 2010/10/15
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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織田信長の重臣であった荒木村重は、信長に謀反を起こし、一族郎党が惨殺されたが、岩佐又兵衛は、荒木村重の側室の子であったが、なぜか生きのこった。京都六条河原で母親が非業の死をとげたことからのトラウマから芸術的な絵画が生まれたんだろうと著者は書いていた。
英一蝶は、幕府が禁じた法華宗の「不受布施」の戒律を守った故に、三宅島遠島の刑を受けたことから独自の画境を生んだとか、伊藤若冲は、家業の青物問屋を継ぐことが嫌で、若くして弟に家業を任せた変人の朴念仁で絵だけを描くオタクのニートだったと言われているが、その実像は宗教者も一目置くような信心深さと、青物市場を守るため敢然と命を懸けて立ち上がる矜持を持った人だったことが本書で知ることができる。
そのほか、曽我蕭白は、没落した紺屋(染物屋)の子せがれから画家として大成したが、権力に阿ることない頑固者だったとか、長沢芦雪は、絵の実力は認められるものの、ことあるごとに武家の出であることをひけらかしたから嫌われたとか、岸駒は、有名になると、その画料を貪ったと評判がまことに悪かったが、晩年には、その資産の多くを廃寺などの復興に投じていた事実なども本書で知ることができた。
葛飾北斎は、「富嶽三十六景」など富士山を描くことに執念のようなものを感じると思うのは私だけではないと思っていたが、富嶽三十六景のうち「諸人登山」の絵には、富士講信者が富士へ登って行く姿だけが描かれていて、富士が描かれていないことからも、当時幕府が弾圧していた富士講に北斎がシンパシーを感じていたことが窺える、と著者が説いている。
東洲斎写楽については、江戸は、八丁堀の住人で、阿波藩の能楽者、「俗称斉藤十郎兵衛」なのは間違いない、と謎の人物などと騒ぐことに、終止符を打ってほしいと多くの確証的な資料に基ついて説いていたが、信じるに足る資料だと納得できた。
本書中、新幹線のグリーン車や飛行機のファーストクラスを使用しながら、地方へ説教しに行くような宗教者など唾棄すべき存在だとの論旨で書いていたが全く同感してしまった。
被爆者で世界平和を謳いながら絵を描き文化勲章までもらった画家を、著者が嫌っているような下りを読みながら”誰?”と思ったが、私も彼の絵が好きではないからすぐに誰か分りましたよ!
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ500レビュアー
全編、著者の構想力と力強さに圧倒されるが特に、北斎と富士講の繋がりの部分は迫力がある。
江戸時代、幕府にとって厄介に思われたのは近代以降ロマンティックなまでに刷り込まれた切支丹ではなくて、国民そのものから生まれた富士講と日蓮宗の不受不施派であった。
その富士講の六世行者の食行身禄(じきぎょうみろく。1671−1733)その人となりは刮目すべきである。
食行。食べることを止めれば生き続けることは出来ない。と言う一点を呈出することによって四民平等を説くのである。
身禄。「身をろくにして」つまりろくでないでなく真っ直ぐということである。
そして、1733年富士の烏帽子岩の岩窟で雪解け水だけを口にして入定した。一切の逡巡がここには見えない。自死という言葉の本来の意味が腑に落ちた。
身禄は、仏も神も人間の思念が作ったものと断言している。
富士講は身禄の死によって関東一円を中心に熱気をもって広まっていった。
もう一つの特徴は「土持」。ひとり行を否定し、世のため人のための土木工事に参加し土を運ぶ作業に従事する。無償の奉仕、修行である。
北斎は、手紙に土持を自称している。そして、富嶽三十六景の掉尾を飾る「諸人登山」で富士山中の石窟に向かう富士講講員の姿を克明に描いている。

また、若冲がこれまでの通説と異なりいざとなれば社会の不正と斬り結ぶ覚悟すら持っていた人物であること。
写楽についても、阿波侯能役者斉藤十郎兵衛であることが中野三敏氏やその後の研究により疑いようにも疑えない事実となっていることを論証している。
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