途方もない仕事だ。この夥しいデータから読み起こせる事柄には、計り知れないものがある。江戸から明治を経て現代に至るまでの3層の地図と地誌データが、一枚のDVDにぎゅうぎゅうと押し込められている。画面上のカーソルを動かし、各地点毎の層的な変化を驚き、楽しみながら、各時代のデータを様々なカテゴリで(例えば江戸の大名、明治の邸宅)検索するたびに、江戸が、明治が全く新しい姿で浮かび上がってくる。同梱の2つのディレクトリには、江戸、明治の様々な地誌データが印刷され、創り手の思いがずっしりと重く伝わり、この種の出版物にありがちな軽薄さや、すぐに古びてしまう脆弱さは全く見当たらない。これは学術出版物?いや違う。簡単なインストールとスッキリした操作性で歴史地図ファンからパソコン初心者の暇つぶしまで、あるいは、江戸、明治を彷徨う全ての旅人にお勧めの羅針盤だ。早速ブラジルやアメリカにいる友人に勧めた。東京人より東京について詳しくなれること必定であると言うコメントも添えて。