江戸川乱歩賞 1982年 受賞作二編。
■焦茶色のパステル
週刊文春 1982年 総合1位
焦茶色のパステルカラー?がタイトルから受ける印象。実際は、黒鹿毛(焦茶色)の競走馬の名前だったりする。本作は、パステルを含む競走馬二頭と、競馬の関係者する二名の同時殺害事件の謎解きで、このタイトルに解決のための糸口が提示されている。
殺害された競馬記者の妻とその親友が探偵役なのだが、離婚寸前の夫婦という設定のせいか、夫の死亡という現実に直面しての捜査活動に違和感がない。テンションの高い親友にひっぱられてたどりつく真相(whoよりwhyの方)は、ひとひねりが効いている。
前提知識がなくとも楽しめる競馬ミステリ(の一種?)である。岡嶋二人のその後の活躍を予感させる江戸川乱歩賞受賞作=デビュー作。
■黄金流砂
週刊文春1982年 総合3位
三つの殺人事件と、奥州藤原氏 黄金伝説にまつわる暗号解読、昭和になって発見された奥羽山系の無名峰を巧みに組み合わせている。歴史ミステリの趣あり、特に藤原三代に興味があるのならば、十分に楽しめると思う。一方で、殺人事件に関する、トリックや、動機は、よくある話し という印象である。決着のつけ方も、唐突で、不満が残ってしまう。応募作品であるがゆえの枚数制限なのかなぁ。
途中、面白かったので残念。