実際よく売れたようだが、出版社の切り込み方のうまさで売れたようなもので、中身はいただけない。「当時の国際情勢からいうと、フランスと結んで何かやりかねない小栗(忠順)を斬っておいて正解」「このような子供だましは通用せず、(河井)継之助の態度も横柄であったので相手にされなかった」「(松平)容保が孝明天皇に忠実だったのは確かだが、かなり極端に走りがちな天皇の意に、側近の公卿ならともかく、幕府の代表である京都守護職がブレーキ役とならなかったことは職務怠慢も甚だしい」と薩長に反抗した者達を責め、「戊辰戦争の敗者への寛大な処分は彼らの大嫌いな長州のおかげ」と言いたい放題。もっとも本の中ではっきりと「私は長州びいきなのだが」と堂々と記してあるのだが。
「歴史を見る場合には、現代人のそれではなく、当時の人々の歴史などについての知識を基準にしなくてはならないのは当然」と書かれてあるが、それをそのまま著者に捧げたい。
通産省出身の先輩である堺屋太一氏をしっかりよいしょしているのも苦笑してしまうが、いかにも官僚出身者が書いたという本です。