内容紹介
牛田権三郎と本間宗久。言わずと知れた相場の達人である。本書ではこの2人が残した言葉を、現代の相場に当てはめながら解説している。
牛田権三郎と本間宗久。この2人が一貫として述べているのは「相場を見極める」ことである。ノウハウ本によく見られるような「いつ仕掛け、いつ手仕舞うか」的な話は少ないが、それよりももっと大切と思われる「心構え」的な話については“盛りだくさん”紹介されている。そして、それらの話は現代にも十分通用するものだ。なぜなら、「儲けたい」と思うときの心の動きは今も昔もさほど変わらないからである。 牛田権三郎と本間宗久。2人とも、言葉は違えど、同じようなことを“大切だ”と語っている。江戸時代に生きた彼らが現代の我々に何を残してくれたのか。それは、本書に書かれている。
内容(「BOOK」データベースより)
内容(「MARC」データベースより)
著者からのコメント
ただ単に相場のやり方だけを真似するのでは、相場が変わるたびに成功したやり方を学ばなければなりません。しかし、相場に対する心構えは、いつの世でも、どんな相場の時でも変わることはありません。相場に対する心構えを身につけることで、どんな相場であっても、先の動きが読めるようになってくるのではないでしょうか。 この本に収めた、『三猿金銭秘録』や『相場三昧伝』は相場の世界にどっぷりと浸かった先人がその相場の中で体得したものを後世に残したものです。時代は変わっても、相場に参加している人の心は何ら変わることはありません。相場で成功した先人のその相場に対する真摯な態度はぜひ見習いたいものです。江戸時代の米相場の話ということで、取引のシステムも通貨の単位も違いますが、「相場」で儲けよう(つまり、相場で「うまく」立ち回るということでしょうか)とする気持ちは今の時代にも通じるものがあります。
相場で成功したこと、失敗となったことを教訓に、今の時代でも通用する相場の心構えをもう一度確認してみてください。
清水 洋介
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
1983年慶應義塾大学法学部法律学科卒業、大和證券、ソシエテジェネラル証券などを経て、現職(マネックス証券マーケティング部投資情報センター長)。個人営業、機関投資家営業やディーラーなどの経験をもとに、実戦に即した市場分析、テクニカル分析には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
この句は、「下がれば下がるほど弱気が少なくなり、後は上がるしかない状況になるものだ」という意味です。 下がり切った状況になれば(「下がり切った状況」を判断するのが難しいのですが)、「弱気の人はもうすでに皆売ってしまっているのでそれ以上は誰も売らなくなる。そして、後は自然の習いとして上がるしかないものだ」と話しているのです。 NTTが底値をつけたときがまさしく「下がるほど下がった」状況のときでした。往々にして、出来高の少ない中でじりじりと底値をつけることが多いものです。NTTが底値をつけたときも相場全体の出来高は少なく、NTT株自体、「誰も見向きもしない」状況でした。そのようなときは「セリングクライマックス」とはならずに底をつけることが多いのです。
「豊年は、万人気弱く我弱し、安きによって売りは禁制」
「豊作の年は、皆が皆弱気になるもの、自分までも弱気になったところは売り込まれた後なので当然値段は安いものである。そこで安いから、もっと安くなるのではないかと考え売ることは絶対に駄目だ」という意味です。 「赤信号もみんなで渡れば恐くない」という句がありますが、普通は事故に遭い、大怪我をしたりするものです。 売る人が売り切ってしまえば、後は売りが少ないところを買い方が買わざるを得ないわけですから、上昇に転じるのは当たり前なのです。ただ、市場の中にどっぷりと浸かっていると冷静に判断できず、結果的に自分の投げたところが大底になってしまうことがあります。 例えば2003年の3月にソニーが業績の下方修正を発表し、いわゆる「ソニーショック」を引き起こしました。そのときに誰しもが思ったのは「ソニー神話の崩壊」でした。このとき「ソニー=成長力のある会社」というイメージが一気に崩れ去ったのです。株価は一斉に売りを浴び、何度もストップ安になりました。、市場では「どこで下げ止まる」のかが話題になるほどでした。しかし「売る人」が売り切って大底となった後はするすると値が戻ったのです。