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江戸の貨幣物語
 
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江戸の貨幣物語 [単行本]

三上 隆三
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

金銀銅の三貨が同時に通用した不思議な社会・江戸。しかしそこに財政破綻に苦しむ江戸幕府を260年も存続させる秘密があった。貨幣が明らかにする江戸の真実。

内容(「BOOK」データベースより)

金銀銅の三つの貨幣が同時に流通し、しかも変動相場制で動いていた世界で唯一の「三貨社会」―江戸。信長に始まり家康によって完成をみる江戸期貨幣制度は、奢侈追求による財政赤字や素材の枯渇によって、時代を経るごとに少しずつその様相を変えながらも、世界的水準をいく貨幣経済社会を展開することになる。本書は、時代相を反映するエピソードや狂歌・川柳などもまじえながら、三貨制度の発足から外圧(異国貨幣)によって幕府が崩壊するまでを描いた、江戸期貨幣の栄枯盛衰の物語である。

登録情報

  • 単行本: 308ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (1996/03)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 449237082X
  • ISBN-13: 978-4492370827
  • 発売日: 1996/03
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 653,726位 (本のベストセラーを見る)
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By アジアの息吹 トップ1000レビュアー
江戸の通貨システムはこの上なく複雑なものであった。西日本は銀貨を使用し、東日本は金貨を使用し、庶民は銅貨(銅銭)を利用していた。そのため徳川幕府は通貨を三種類も公鋳せざるを得なかった。江戸時代はなんと三種類もの通貨が無制限に流通・比価が変動する、世界でも類を見ない社会だったのだ。

江戸中期以降、幕府は財政難に悩むことになる。そこで財政難解消のために考え出された秘策が、貨幣悪鋳であった。金や銀の含有量を減らし、通貨発行量を増やす。当初はそれでうまくいったものの、マネタリーベースの増大から幕府は今度は悪性インフレに悩まされる。

そして考え出されたのが、明和南鐐二朱銀という計数銀貨である。南鐐二朱銀は銀貨であるにもかかわらず、その価値は金貨相当というこ!れまた複雑なものであった。導入に紆余曲折はあったものの、南鐐二朱銀は日本が金本位制を確立する第一歩となっていく。江戸時代の通貨システムは思っていたよりはるかに複雑で精緻なのだ。

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本書の著者の代表作「円の誕生―近代貨幣制度の成立」の理解がイマイチと言う人には本書を読む事で江戸の貨幣制度までの部分はスッキリするのではないか。平安末期頃から貨幣経済が自立的に成長し始めるが、皇朝銭の鋳造はストップされており貨幣がない。そこで活躍したのが渡来銭・輸入銭であり、これによりさらに貨幣経済が発達して行くことになる。やがて戦国時代に向かい米よりも銭、そして戦にはなによりも銭という時代になっていく。武田信玄など金山の開発に力を入れたのは結局は軍事力の強化のためであり、織田信長などは金銀をいかに多く持ち、どの武器の購入に重点を置くかで戦の勝負が決まるということを知っていたので金銀の支配に力を入れていた。このような中で天下を取っていた期間が短かった信長・秀吉に実現出来なかった貨幣制度を作ったのが徳川家康である。家康は天下を取っていることを示すには力だけでなく貨幣制度も重要であるということを知っていたから信長の頃から使われだした金銀に重点を置いた新たな貨幣制度を制定したのである。それでも銭を含めた実質的な「三貨制度」になったのは家康の後であった。

当初金銀は豊富に備蓄され、また金山等の開発も進んだため財政も豊かであったが、やがて贅沢がたたり3代目家光のころから財政赤字になって行く。財政再建のため行われたのが小判等の品位の低下による出目である。しかし、それなりの効果を挙げたのも最初だけ、続けているうちにインフレも起こり経済は混乱するが、米遣いの武士を守ろうとする政策を打つため益々泥沼化して行く。また、秤量貨幣である銀を定額の名目貨幣化するのに成功し出目をも得るが、ペリー来航等外圧により貨幣制度の矛盾が噴出し金の大流出を招く。これによりさらに財政難は厳しくなり幕府の寿命は加速度的に短くなっていくのである。本書ではこのようなことが人々の日常生活を基礎とした「社会史」・「生活史」の視点から述べられている。難しい事も色々なエピソードを交え分かりやすく書かれている本書はお薦めの一冊である。

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