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江戸の見世物 (岩波新書)
 
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江戸の見世物 (岩波新書) [新書]

川添 裕
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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「イベントを中心としたマルチメディア展開」。ビジネス雑誌などでおなじみのこのフレーズのルーツは、江戸時代の見世物にあることを本書は解き明かしている。

前半は浅草で開催された7メートル近くあった籠細工の関羽の見世物について考察。この見世物は当時のニュースとなり、50万人近くの人々が見物に訪れたという。さらにその関羽の意匠が歌舞伎や浮世絵などに反映され、社会的に共通認識化していく。そしてこの見世物はその後各地を巡回し、まさに「旅するメディア」となる過程をつぶさに見せてくれる。さらに著者は、この「旅するメディア」というキーワードから、長崎に渡来したゾウ、ラクダ、ヒョウなどの動物の見世物、幕末維新に渡米までしている軽業なども紹介している。前者の動物の見世物はご利益のある見世物として、これまた浮世絵をはじめ引き札や薬などのさまざまなグッズを生み出すようになる。

江戸末期から明治まで流行した「生き人形」の見世物。女性の肌をいかに本物のように見せるかの工夫について書くと同時に、お色気路線に走りながらも、見世物小屋の場所が浅草観音境内という場所柄ゆえの「信心と遊楽」の境について考察している。江戸時代の娯楽の一端を垣間見せながらも、今日のメディアとイベントの関係についても考えさせられる書である。(鏑木隆一郎)

出版社/著者からの内容紹介

江戸時代の見世物は誰にとっても親しみやすい代表的な大衆娯楽の1つであった.一目見ただけで御利益があるといわれた象などの動物見世物をはじめ,細工見世物,軽業,生人形など近世後期の見世物の実像を浮世絵や引札を駆使して描きだす.歌舞伎,祭り,テレビの娯楽番組等にも生きつづけている見世物の原点に迫る.図版多数.

登録情報

  • 新書: 246ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2000/7/19)
  • ISBN-10: 4004306817
  • ISBN-13: 978-4004306818
  • 発売日: 2000/7/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
 籠細工からラクダ、象、軽業、生き人形と、見世物あれこれ。
 寺社と結びついて持ちつ持たれつであったとは初めて知った。
 最近読んだ「大江戸奇術考」は、奇術のテクニック、つまり、演じる側に焦点を当てていたが、これは、見世物としてどうなのか、という点が重視されている。

 また、これも最近読んだ「安政大地震」では、とても見世物どころではなかったように思われるのだが、この本を読むと、軽業の見世物が大好評なのだ。しかも、天才軽業師は、明治維新を待たずして渡米し、興行を打って、アメリカで客死している。
 何もかも知らないことばかり。
 先行研究に頼らず、一から資料を調べ直しており、信頼が置ける本である。

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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Dent トップ500レビュアー
形式:新書
見世物小屋というと、あまり良い印象はもっていませんでしたが、江戸時代の見世物はいたって真面目で、その内容はそのまま現代の動物園、サーカス、テーマパーク、映画を彷彿させます。大盛況の見世物がどうして人気でたのか面白く解説しており、イベントやエンターテイメントに関わっている方にとって集客のヒントがいっぱい詰まっている本だと思います。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 目が覚めるような面白い本です。江戸の見世物がこれ程盛んにおこなわれ、大流行していたとは全く知りませんでした。まさに当時一番のポピュラーな娯楽なんですね。今、自分たちが見世物という時の独特の不思議な通念は、一度捨て去らなければいけないことを思い知ります。

 しかもこの本は、それを何とでも言える架空の議論で言っているのではなく、あくまで一次資料に基づいて書いているところが、何よりも信頼できます。そう言うと、むずかしい研究書のように思うかもしれませんが、そうではなくて、非常にわかりやすく軽快に書いていて話自体が抜群に面白いです。

 江戸文化史としてもためになり、実にさまざまな知識が得られるし、既に別の評者の方が書いているように、現代のイベント論や娯楽論としても参考になります。さまざまな読み方ができる素晴らしい本で、とにかくお奨めできます。

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