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江戸の想像力―18世紀のメディアと表徴 (ちくま学芸文庫)
 
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江戸の想像力―18世紀のメディアと表徴 (ちくま学芸文庫) [文庫]

田中 優子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

近世的なるものとは何だったのか―。平賀源内と上田秋成という同時代の異質な個性を軸にしながら、博物学・浮世絵・世界図・読本といったさまざまなジャンルの地殻変動を織り込んで、江戸18世紀の外国文化受容の屈折したありようとダイナミックな近世の〈運動〉を描いた傑作評論。1986年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞作。

登録情報

  • 文庫: 316ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1992/06)
  • ISBN-10: 4480080074
  • ISBN-13: 978-4480080073
  • 発売日: 1992/06
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
”きんからかわ”という不思議な存在から始まり、少しだけ”鰻”に寄り道をする。
そして、金唐革の偽物を作ろうとした平賀源内から、田中が”連”と呼ぶネットワークによって、18世紀の江戸時代が蘇る。
江戸時代は、鎖国していたというイメージが強いが、長崎を通じてヨーロッパと、そして中国とつながっていた。
そうして国内に入った情報は、俳諧というネットワークを通じて、日本中に配信された。
その中心にいたのが、平賀源内だった、と田中は、実に様々なトピックを紹介しながら、立証していく。
中国の『水滸伝』が日本に入ると、日本人独自の思想を加えながら、実に様々な別バージョンの物語が展開する。
表紙の春信の浮世絵は、まるで、自分の想像力で、江戸時代にダイブしている、田中を表現しているようだ。
とにかく、楽しく、知的好奇心を絶えず良さぶられる。
本を読む楽しさを、改めて教えてくれる。
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形式:文庫|Amazonが確認した購入
本書で一番驚いたことは、金唐革とフェルメールの「信仰の寓意」の絵に関する記述である。(P.24〜38)  本書でいう金唐革に類するものが「信仰の寓意」の衝立で使われていることはそれほど自覚はなくても知ってはいた。しかし、平賀源内とこうつながることは気がつかなかったし、徳力彦之助の著書の存在も知らなかった。今の時代というのは、小林頼子のようなフェルメールの専門家はフェルメールだけの殻に籠り、一方でタイモン・スクルーチのような浮世絵の専門家は、浮世絵というタコ壺に籠ってしまったように見える時がある。ある意味で、鈴木春信とフェルメールに風穴をあけるような本書の著者・田中優子の存在は貴重である。お主なかなかやるなと感じた所以である。(本書は1986年度芸術選奨文部大臣新人賞をとっている) そう言っておいて負け惜しみのように聞こえるかもしれないが、私は刑事コロンボで、彼女は日本の警察みたいなものだと言いたい。つまり状況証拠で犯人を逮捕できるのが私であるコロンボ、物的証拠がないと逮捕できないのが日本の警察というわけだ。(どっちが偉いか微妙なところだが?) そこで、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著(P.79〜89)というフェルメール論の本と、一見するとフェルメールとは何の関係もないように見える同じ著者の「縄文人の能舞台」(P.94〜97)という二冊の本(実は”能登”というキーワードでこの二つの本はつながっているのだが)を見てもらいたい。(手前味噌ですいません) そこでわかるのは、フェルメールの「信仰の寓意」の絵そのものが、コロンボがもっとも大切にする犯行現場保存になっている。この絵は”仮面と柱”から出発して、古事記の”鏡と玉”にいたる考古学的証拠に基づく象徴の証が、東インド会社だけでないルートを経由して、大量に日本とオランダを行き来していたことを証拠だてるコロンボ(私)にとっての重要な犯行現場の再現だったのだ。この絵の女が一心に見上げて見つめる天井に吊られたガラス球(鏡と玉)の意味ははかりしれない。(「信仰の寓意」がイエズス会らしき人物からフェルメールに依頼されたという事実も見逃せない) つまり、刑事コロンボは金唐革のただ一つの物的証拠には気がついていなかったが、数だけで言えば、無数に存在する考古学的証拠(物的証拠)を見つけ出す方法論を読者に示したことになる。(金唐革のように絵中に直接発見できる物的証拠でないにしても) 田中優子さんは松岡正剛氏のお弟子さんのような存在だというが、その松岡正剛氏に声を大にして言いたいのは、「ガラス玉演戯 Das Glasperlenspiel」の一言である。以上、フェルメールおたくの手前味噌でした。 P.S.:本書「江戸の想像力」の文庫版の表紙には、春信の「清水の舞台から舞い降りる美女」があるし、この同じ春信の絵が「宇宙に開かれた光の劇場」の本でもP.184〜で詳しく扱っている。フェルメールと春信の関係で、本書で言いたりなかった部分を、補足していると考えればよいだろう。本書での浮世絵やフェルメールについての言及はごく一部にすぎないが、浮世絵から滲み出た江戸文化やオランダ(蘭)の中に共通する象徴性という点では、自分の考えていることに本書を引きつけることはそう難しくなかった。
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