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江戸の外交戦略 (角川選書)
 
 

江戸の外交戦略 (角川選書) [単行本]

大石 学
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

江戸幕府は、中世以降の中国の冊封体制から離れ「4つの口」(松前、対馬、薩摩、長崎)を中心に独自の国家外交を展開していた。この外交政策の展開を近代的国家外交の形成過程と捉えた注目の書。

内容(「BOOK」データベースより)

「鎖国」は、決して外国との関係を閉ざすものではなく、東アジアや西洋諸国と安定的な関係を築いた、静かで着実な「国際化」であった。本書では「鎖国」を日本における国民国家形成過程の「外交体制」と規定し、当時のグローバリゼーションに対応しつつ、国内の「平和」「文明化」「国際化」を進め、均質的な日本型社会を形成したと説く。「鎖国」のシステムがもたらした江戸の社会の実態を明らかにする。

登録情報

  • 単行本: 248ページ
  • 出版社: 角川学芸出版 (2009/6/10)
  • ISBN-10: 4047034460
  • ISBN-13: 978-4047034464
  • 発売日: 2009/6/10
  • 商品の寸法: 18.8 x 12.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
形式:単行本
 タイトルが示唆する通り、「鎖国」(そもそもこの用語や実態自体が問題だが)というものを一般常識のように否定的にとらえず、当時の幕府の主体的・積極的な外交政策としてとらえ、肯定的な評価を見出そうというのが本書の趣旨である。
 1600年前後の、ヨーロッパ勢力のアジア進出や、戦国時代の機運により、相当に日本と海外の人や文物の交流は盛んであった。秀吉の朝鮮出兵、関ヶ原を経て成立した徳川政権はこれに対し、「海禁」政策でのぞみ、日本国家の平和と安定を保ったのである。
 まったく海外との交流を閉ざしたわけでもなく、「四つの口」を通して国際関係は管理され、また吉宗以降は選択的に海外情報を導入し、蘭学の興隆をみ、合理的な思想や文化が花開いた。むしろヨーロッパ以外で、当時の日本ほどヨーロッパ文化を大胆に取り込み、近代化を自発的に進めた国はない。こうして明治維新以降の近代化を可能とする文化的素地が成立したのである。
 以上のような経緯を本書は示し、一般観念とは大きく異なる「鎖国」像を示し、知的興奮を与えてくれる。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本書は、日本近世史を専門とし

現在は東京学芸大学教授である著者が

近世日本の対外政策について検討する著作です。

筆者は、「大航海時代」を第1次グローバリゼーションと捉え、

秀吉や徳川幕府の外交政策も、これに対応する形で決定した―という観点から、

16世紀後半から19世紀中葉までの日本の外交を論じます。

各章では、新井白石とシドッチ、松前藩とアイヌの関係など、

主要な出来事について、具体的な史料をもとに概説するとともに

「鎖国」の性質など学説上の重要な論争がある論点については、

鎖国得失論争、鎖国本質論争、オランダの策動、華夷秩序

―など、主要な学説も紹介します。

朝鮮通信使と国民国家形成の関係

開国に際した日本人たちの驚くべき学習能力や

そして、天皇にも謁見した象の波乱万丈な一生

―など、興味深い記述はとても多いのですが

とりわけ、日本に定住した朝鮮人たちの歴史は興味深く、

幕臣、諸藩の藩士あるいは町人として生きた彼らについて、

より深く、より具体的に知りたいと思いました。

外部との関係を通じ、近世日本をより深く知ることができる本書

近世史や外交史、ナショナリズムなどに関心がある方に限らず、

一人でも多くの方に読んでいただきたい著作です。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 仮面ライター VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
  
 本著を読み通して、思わず「ウルッ!」と来た箇所がある。当書は豊臣秀吉以降の「日朝関係」に紙幅を割いているのだが、その関連で「武士になった朝鮮人」として御家人「染木甚太郎(百俵五人扶持)」の逸話を記している行がある(本書pp.153~156)。『甲子夜話』(1821年)による染木家の「家譜書上」によれば、先祖は朝鮮の城主(李氏)の子(姉弟)で、「文禄の役(1592~93年)」の際に捕らえられ、日本に送致、最終的に、NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の主人公・江と徳川秀忠の子、千姫の「御慰」のため、唐子台に乗せられて献上された。その後、大阪、江戸と千姫に従い、姉は「早尾」と改名、千姫(天樹院)の年寄役に、弟は「八右衛門正信(染木家の祖)」として土圭之間御取次役などを務め、姉弟は異国の地で没した…。

 さて、当著は15世紀後半から16世紀の「大航海時代」と称される「第一次グローバリゼーション」及び19世紀の「産業革命」に象徴される「第二次グローバリゼーション」という世界史的な“大波”に対して、日本は外交的内政的に如何に処してきたか、が主題となっている。先ず、「第一次グローバリゼーション」に関し、著者は「秀吉は、グローバリズムへの対応として、隣国や大陸への侵略という凶暴な形で、統一国家の形成をはかった」(同前p.40)と締め括っている。このあたりの認識について、著者は明確な論拠を示してはいないが、多分「東アジア新秩序説」に近いのではなかろうか(同前p.33)。ただ、詳しく述べないけれども、「信長・秀吉・家康のやったことは、『セットで見る』」(井沢元彦氏)視点も必要ではないか、と私は考えている。

 また、文化人類学者の船曳建夫氏は、日本の国家体制として、信長の「国際日本モデル(外向き=世界)」、秀吉の「大日本モデル(外向き=東アジア)」、家康(徳川幕府)の「小日本モデル(内向き=国内)」といった概念を提示している。こうした見方も有用ではなかろうか。それはそうと、幕府は、長崎(中・蘭との貿易)、対馬(朝鮮との外交)、薩摩(琉球との交易)、松前(アイヌとの交易)の「四つの口」をもって、近世の外交・通商関係と国内体制の安定化を図った。この中で、朝鮮との「通信使外交」(1636~1811年,9回来日)における日本側の対応は、まさに「国家あげての大イベント」(同前p.103)であり、「唐子踊り」の来歴等も当書で判る。その他、徳川吉宗の文明化、国際化に係る事績や、前述の日本で生きた朝鮮人達の話なども興味深い。   
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