NHKのブラタモリで坂道がよく紹介される、坂道に興味を持ち購入。
本書は、昭和44年発行の、江戸の坂・東京の坂と昭和50年発行の続江戸の坂・東京の坂の合本復刻版です。
書かれた動機は、当時、坂道研究40年(これだけでも驚き!)の著者が、新町名・新地番制度で、古くからの地名が消えてゆくのを惜しまれたようだ。
江戸は、隅田川と多摩川の間に無数の川があり、川に向かう道は下り坂、川から離れる道は登り坂で、丘陵地帯はすべて山と呼ばれた。
江戸時代、坂は唯一の市街地の目標であり、火事のさいは、何坂で出火し何坂に延焼中と、火の位置と方向を説明したとある。坂を登ると富士見坂、下ると潮見坂とか、坂が急で遅刻しそうなので遅刻坂とか、数多くの坂の説明が丁寧で少しユーモアを含んでいる解説が良い、江戸や古き東京の時代の空気や暮らし振りが、読み取れるようだ。
著者は、続江戸のーの発行の翌年亡くなられた、後書きに、古代からの地名が残る奈良と山形の地名を調査したいとある、その研究成果を読んでみたかった。
良書である。