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レビュー対象商品: 江戸の名探偵―時代推理傑作選 (徳間文庫 に 3-5) (文庫)
日本推理作家協会による初の時代推理小説アンソロジー。
逢坂剛「赤い鞭」、野村胡堂「飛龍剣」、畠中恵「茶巾たまご」、高橋克彦「天狗殺し」、横溝正史「百物語の夜」、諸田玲子「地獄の目利き」、泡坂妻夫「目吉の死人形」、柴田錬三郎「消えた兇器」の8篇が収められている。書き下ろしではなく、けっこう有名な作品も多いので、時代小説を読み込んできているひとには既読のものが多いかも知れない。 逢坂剛「赤い鞭」は、近藤重蔵シリーズの第一作。つづきが気になるが、本作自体は魅力が乏しい。 野村胡堂「飛龍剣」は、池田大助捕物帖のひとつ。珍しいが、取り立てて面白いものでもない。 畠中恵「茶巾たまご」は、若だんなシリーズのひとつ。趣向が凝らしてあって、道具立てにも工夫がある。 高橋克彦「天狗殺し」香治完四郎・藤由シリーズのひとつ。シリーズを読んでいないと分かりにくく、またトリック自体にもがっかりさせられる。 横溝正史「百物語の夜」は、人形左七シリーズのひとつ。シリーズのなかでも有名なものだが、柴田錬三郎「消えた兇器」と同じ問題点をはらんでいる。こういうのはどうなのかね。 諸田玲子「地獄の目利き」は、瓢六シリーズの第一作。キャラクターは良くできているが、ストーリーはいまいち。 泡坂妻夫「目吉の死人形」は、宝引の辰シリーズの第一作。ストーリーに妙味がある。 柴田錬三郎「消えた兇器」は、眠狂四郎シリーズのひとつ。こういったトリックを使うのはちょっとねえ。 全点がシリーズものからとられており、第一作をもってきているものも少なくない。本書をきっかけに読み始めて欲しいという意図が明らかだが、逆に、よく読んでいる人には物足りないラインナップとなってしまっている。 初読者向けということか。
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