マンガ『大奥』や歌舞伎、落語など空前の江戸ブームとも呼べる状況だが、それらは物語を通し極所的に幻想の江戸をみているに過ぎない。本書を読めば文化や経済、時間感覚、動物感など、現代と地続きの今に活きる江戸を把握できるのがうれしい。私は歌舞伎と落語が好きだが、より親しんで楽しめるようになりそうだ。
大阪産の醤油が上出来で江戸に下ってきたわけでない江戸の地醤油がだめなものの象徴で「下らない」の語源となった、江戸では犬と人間は実際に食う食われるの関係だった、などのうんちくもおもしろかった。欲を言えばもう少し、おもしろいうんちくが多量にあると江戸マスターになれた気分がしてよかったかも。