日露戦争のざっくりとした解説と、
江川氏の私論でまとめられています。
あえて私論とはきましたが、
氏は「日露戦争物語」の執筆に当たって、
膨大な資料と格闘し、本書ではざっくりとしていながらも、
比較的シンプルにまとめられていますので、
年末の「坂の上の雲」の副読本にはいいように感じます。
地図で読み解く日露戦争は、
戦闘略図は縮小されすぎていて小さく、
見難いを通り越して見えません、
また局地戦毎との紹介になっていますので、
その点通しの位置関係などがつかみにくく、
イマイチ感がぬぐえません。
みなもと太郎氏との対談もあり、
非常に興味をそそられる部分であり、
その期待に答えられる内容で面白いのですが、
6ページと少々短め、その上写真で半分近く埋め尽くされているので、
非常に物足りなさが残ります。
人気漫画家かどうかはさておき、
江川氏の描く秋山兄弟やその周囲の人たちがが久々に拝めます、
「日露戦争物語」後期のような酷い絵はありませんが、
説明に埋め尽くされたコマと無理矢理な小ゴマ、
ドンドンドンドンゴゴゴゴゴは相変わらずです、
陸戦が無いのでパンパンパンはありません。
死の床についた真之の今際の回顧録の形式ですが、
苦悶の表情で脂汗を流した状態が延々30ページ続きます、
構成を考えていないのか?
もっと無理のない構成にならなかったのであろうかと、
首をひねらざるを得ません、
構成のみならず、表紙の秋山兄弟のイラストは
本中のラストのコマをカラー化したものですが、
真之のデッサンがどうしようもないぐらい狂っています、
右目と左目が別人なってますね。
漫画のページを減らして、
もっと充実した構成が出来ればそこそこな本になった気もしますが、
美味しい部分の物足りなさと、不味い部分の山盛感が強く、
個々の人物へのスポットは少なく、全体としてイマイチと言わざるを得ません。