主人公は魯粛なのですが、魯粛は周瑜との関係が深いので、周瑜がかなり頻繁に出てきます。この周瑜がものすごくきれいなのです。透き通った白い肌、端正な顔立ち、あざやかな目元、柔らかな物腰の、見事な「麗人」です。この周瑜だけでも一見の価値があるのではないかと思います。
物語ははじめのうちは三国志という感じがあまりしませんね。艶やかな浪上花、伍君神(伍子胥)を迎える祭りの日の競漕など、呉ならではの文化もみられ、当時の人々の息吹が感じられます。もちろん山越討伐、対黄祖戦などの戦もありますが。
最後は赤壁なのですが、「三国志演義」ではないので、諸葛亮が舌先三寸で大活躍なんてことはありません。諸葛亮も出てきますが、悩み、自分のしたことに恥じ入る完全な人間です。対曹操戦は呉の戦であり、孔明はほとんど関係ないですね。作品全体に流れる独特の雰囲気が赤壁でも流れており、周瑜は呉を守護するために降り立ったシャーマンのようです。従来の三国志には見られなかったような静謐な赤壁が見られると思います。