本書の単行本の副題は、「国家に人生を奪われた男の告白」である。
文庫化に際して「国家」から「検察」へと副題が変わったことには、小沢一郎問題が一つにあるのだろう。
私としても、本書の副題は「検察に・・・」の方が相応しいと思う。
私も、鈴木宗男事件が無ければ、検察を信頼していたに違いない。検察の非道なやり方に、この国家は本当に民主主義か?と疑いたくなった。
同じ講談社+αに収録されている、「闇権力の執行人」よりも、こちらの方が、「鈴木宗男」という一人の男に視点がフォーカスされている。
特に、鈴木氏の家族からの手紙や、松山千春氏からの激励の言葉などは、読んでいて目頭が熱くなる。そこらの三文感動小説よりも余程、感動できる。
他にも記述されているのは、中川一郎氏との秘書時代の思い出、佐藤優との出会いなどなど・・・様々な男たちの横顔がとても興味深い。
鈴木宗男の人間としての魅力が凝縮されていると言える。仰々しい題名とは違って、生きる勇気を貰える、心の書だ。