休日に読んだ。
総合商社の会長が書いた本だということで「どうやったら儲かるか」「経営者としてどうあるべきか」という様な目的で読まれた方は 若干あてが外れるのではないかと思う。この本で著者が言っている事は 事例こそビジネス関係が多いが 徹頭徹尾「人間とは何か」ということであるからだ。
事例がビジネスであることも商社の会長だからではない。仕事というものは そもそも全人格なものであるからであり 「人間とは何か」というテーマには格好の題材だからである。
人が仕事をするにおいて その人の「人」というものがはっきり出てくる。表面を取り繕ったりしても 必ず そんな「お化粧」ははげて その人の「素顔」は見えてくるものだ。それほど 仕事というものは 人間臭いし ある意味で「怖ろしい」ものだ。
そんな「仕事」に対して 著者は「汗出せ 知恵出せ もっと働け」と言っている。それは仕事こそが その人を磨くと 著者が強く確信しているからだ。
この本を読んでいると丹羽という方の本質が「陽気なアジテーター」であるということが良く分かる。僕の狭い読書体験から見て 現代の「陽気なアジテーター」と呼べる人は 「ウェブ進化論」の梅田望夫と この丹羽宇一郎という方だと思っている。
アジテーターとは 自分の考えを強く信じて 強く訴える人である。もちろん 人間は誰しも自分を信じて 自分の考えを言う動物だが それがどこまで「強く」あることが出来るかがその人の強さだ。
著者は「強くなければ優しくなれない」とアジテートしている。その「強さ」とは 腕力でも財力でもない。自分を信じる「強さ」こそが それである。