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これは、どこまで自分の感覚に正直になって書けるか、という実験の作品だと思う。それがこんなに「きらきら」として、同時にまっくらである。いや「まっくら」だから、「きらきら」して見えるのだ。
「ゆめ」「シラタキ」「手をとめて」などで分かることばを扱うテクニックや、「月光をたよりに」「ナンシーちゃん」「お願いメール」などに出てくる妄想変態っぷりもすごいが、平凡だと思っていたことばが詩の中で強い吸引力を持って変身する様がとにかく衝撃的。「国道にて」がとくに好きです。
するするっと読んでしまって、心にひどくおかしなものが溜まったのに気がついて、それがなんだったか探しながらもう一度読んで、また新しいものが溜まってしまって、困ります。ええ。困ります。言葉はものをわかるために使われる道具ではないのですか。
「へん」「すごいへん」「おかしい」全て誉め言葉。
穂村弘の描く恋人たちの交流やディスコミュニケーションに、いまや「穂村ワールド」という名前がついて、新潮社から発売されるようになってしまった。隔世の感?いやいやこれが21世紀なんだ(赤面)。
速達押印時無呼吸。
あのひとの部屋のドアの向こうから呼びかける、魚眼レンズの中の花束が見えますか。瞳孔反射が見えますか。
かと思うとなんだかテレビドラマみたいな恋人達が現れてちょっとほっとする。
あなたがくるしげに息を弾ませる頃カブトムシはゼラチンに顔をうずめる。
(以上の文中へんな表現はなんとなく『求愛瞳孔反射』よりの引用)
本文の紙の色、五色。綺麗です。カバーに穴が開いていて、表紙の絵、おんなのこの姿が見えます。綺麗です。くりかえしくりかえし、目のイラストがわたし(読者)を見ます。怖いです。
でも、きんさん亡きあとのぎんさんに不凍液を注入するのは、毒です。他にも毒が多いのは恋愛のせいでしょうか穂村弘のせいでしょうか。
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