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永遠平和のために (岩波文庫)
 
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永遠平和のために (岩波文庫) [文庫]

カント , Immanuel Kant , 宇都宮 芳明
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

世界の恒久的平和はいかにしてもたらされるべきか。カント(1724‐1804)は、常備軍の全廃、諸国家の民主化、国際連合の創設などの具体的提起を行ない、さらに人類の最高善=永遠平和の実現が決して空論にとどまらぬ根拠を明らかにして、人間ひとりひとりに平和への努力を厳粛に義務づける。あらためて熟読されるべき平和論の古典。

登録情報

  • 文庫: 138ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1985/1/16)
  • ISBN-10: 4003362594
  • ISBN-13: 978-4003362594
  • 発売日: 1985/1/16
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
カントは多くの人が思っているのとは裏腹に控えめな主張しかしていない。
タイトルとか「常備軍全廃」とかの記述に引きずられているのかもしれないが、あえて言えばカントは「永遠平和は実現する」とは言っていない。

カントが本文と第一補説の最後にそれぞれ何と書いているか見てみよう。

「(前略)ひとびとはこうした条件の下においてのみ、永遠平和にむけてたえず前進しつつあると誇ることが出来るのである」(p53)

「なるほどこの保証は、永遠平和の到来を(理論的に)予言するのに十分な確実さはもたないけれども、しかし実践的見地では十分な確実さをもち、この(たんに空想的でない)目的にむかって努力することをわれわれに義務づけるのである」(p71)

カントの想定する「永遠平和」はあくまでも「漸近形=次第に近づいていくもの」として捉えられており、それが完全な形で実現するものだという、それこそ空想的な平和主義を彼はとっているのではない。
カントが恐れているのは、「そもそも平和など意味がない」とか「政治は力の争いであり、平和であるか否かは重要でない」、「平和は体のいいイデオロギーの道具である」のような形で、平和という「理念」そのものへの懐疑である。
これに対してカントは、永遠平和に「向かって進み続ける」ことが十分に現実的で意味のあることである、ということを本書で力説しているのである。
ゆえに、本書において永遠平和は「信ずるに足る理念」であって、「実現するもの」と捉えるのはあまり妥当ではないように思われる。ただ最近の平和論でのカントの引かれようはどうもこの誤解の方に基づいている気がするが・・・
このレビューは参考になりましたか?
30 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
カントは、常にホッブスと対比される。そこでは、一般的に、カント的とは国家を克服し、地球市民となって“世界平和”的に協力的に世界平和をえること、ホッブス的とは“単独平和”的に、いわば一国が世界の警察官として、国家同士の闘争状態に終止符をうち世界秩序を維持すること、というように解釈されることが多い。少なくともド“素人”の私にはそのように感じられる。ヨーロッパ=EUや国際連合は前者であり、最近はやや対話にシフトしつつあるが、米国のかつてのユニラテラリズムが後者と捉えているのが実情である。本当に果たしてそうか?この疑念のもと本著をひもといてみた。結果として、私に期待は大きくはずれ、カントを見直したのである(笑)。そこにはいわゆる国境なき地球市民としての“世界平和”をカントは著述してはいなかった。ホッブスと同様、“自然状態とは戦争状態にあること”が世界の実情であることを的確にとらえ、その上で、独立国家同士が互いに牽制しあいつつも、平和を維持するには国家間に国際連合的なものが必須であると説いているのであった。すなわち、カントは超現実主義者であり、そこには常備軍の廃止というユートピア的提案は確かに一部なされてはいるものの、国連はもちろん、VISAの原型や現行国際法では、まさしくカントの思考がここに照射されているのであった。一方のホッブスは、プラトン『国家』で推奨された哲人政治の利点を大きく認めたのであろう、リヴァイアサン=超国家(=現行では米国)による統治こそ世界平和の近道であると説いたのであった。かくいうカントもホッブスも、ともにリアルな世界史観のもと、最終的な方法論においての相違を呈しているにしかすぎないことが、本著によって確信されたのであった。翻訳であっても、原著を読むことが、世間的虚妄を払拭してくれる近道であることを改めて痛感した読後であった。解説本もなるべく読むまい!
このレビューは参考になりましたか?
23 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
哲学者のカントであるが,この著作は,むしろ国際政治を学ぶものが読むべきものである.薄くて読みやすい.

なお,カントの論じた命題のうち,共和制を取る国は戦争をしない,というものがあるが,これは,現代における「民主的平和論」という議論のもとになっている.

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